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無名の灯　番外編２

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無名の灯　番外編２

第67話 - 第67話

2025年10月25日

#いじめ

#闇

#BL

#一次創作

#虐待

#番外編

ruruha

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午後の光が薄く差し込むリビングで、遥は床にうずくまったまま、四方から視線の刃に切り刻まれるのを感じていた。背中を丸め、手足を縮こませても、逃げ場はどこにもない。涙と汗で濡れた髪が顔に張り付き、体の震えは止まらなかった。

「今日は……少し遊ぼうか」

怜央菜の声は淡々としている。威圧感はないが、冷たい視線が遥を貫く。沙耶香は笑い、颯馬は腕を組み、晃司はライターを手に握ったまま近づく。

「や、やめて……お願い……ごめんなさい……っ」

嗚咽まじりに声を絞り出す。謝ることしかできず、手で髪を払おうとしても、沙耶香と颯馬の手が容赦なく押さえる。逃げる隙間はない。

晃司がライターの炎を髪に近づける。焦げる匂いが鼻を刺し、頭皮に熱が伝わるたび、遥の体は小刻みに痙攣する。痛みで息が詰まり、喉の奥が焼けるように痛む。

「……ごめんなさい……お願い……やめて……っ」

何度も声を出すが、炎は止まらない。怜央菜が静かに近づき、淡々とひと言。

「動かないで。そうすれば、少しは楽だから」

沙耶香が髪の一部をつかみ、焦げる感触を残すように炎をあてる。焼ける匂いと痛みで体が硬直し、嗚咽が止まらない。皮膚に熱が伝わるたび、全身が波打つように震える。

さらに晃司がタバコを取り出し、自然に吸いながら煙を漂わせる。その火先を、舌や腕、身体の一部に押し付ける。焼ける痛みは鋭く、全身にしみわたる。口の中に金属のような苦味と熱が走り、唇や舌を火で押される感覚に嗚咽と震えが重なる。

「お願い……お願いだから……やめて……っ」

声は嗚咽に混ざり、涙が頬を伝う。焦げた匂いと火の熱は、体と心の境界を侵食し、逃げる力も抵抗する意志も、完全に奪われていく。

怜央菜は髪や皮膚に残る痛みを確認するかのように、淡々と見つめる。笑みは軽く、しかし残酷さを隠さず、日常の延長のように自然だった。沙耶香と颯馬も、ライターやタバコを交互に使い、髪の一部を焦がし、身体の痛みを絶え間なく与える。

遥は床に丸まり、泣き、謝り、懇願するしかできない。声を出すたび、嗚咽が乾いた空気に吸い込まれ、誰にも届かない。逃げ場は完全に奪われ、四人の支配は絶対だ。

舌に押し付けられるタバコの痛み、焦げた髪の匂い、頭皮の熱さ。全身が焼かれ、痛みに痙攣する。謝る言葉だけが残り、体はただじっと痛みを受けるしかない。

「もう……やめて……お願い……お願い……っ」

小さな声がもがき、嗚咽が連なる。涙と汗で髪も肌も濡れ、床に伏せた身体は燃えるような熱と焦げた匂いに支配される。四人の冷たい目は一切の情けを示さず、遥の心も体も完全に折られていた。

――逃げられない。誰も助けてくれない。

痛みは、永遠に続くかのように、遥の全身を覆っていた。