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蓮司「はい、転生しましたー! 剣と魔法のファンタジー世界、いらっしゃい!」
日下部「……いきなり始まったな」
遥「……いや、俺、別に異世界とか行きたくないけど」
蓮司「お前は大体そう言うけど、もし行ったらどうする? 俺はもちろん王子ポジション」
日下部「なんで勝手に王子なんだよ」
蓮司「いやいや、顔とカリスマでしょ。どう見ても俺が王子。んで日下部は……騎士」
日下部「……まあ、剣くらいは握ってもいいけど」
蓮司「ほらな! 遥は……」
遥「……どうせ村人Cとか言うんだろ」
蓮司「わかってんじゃん。背景で鍋かき回してるやつ」
遥「俺、そういうモブ感出す自信あるわ」
日下部「……でも、逆にそういうやつが実は最強って設定多くないか?」
蓮司「おっ、不器用ながら熱い少年漫画読みすぎた日下部くんの発言だね」
日下部「別に読んでなくても、そういう話多いだろ……」
遥「俺は強くなくていいから、せめて静かに暮らしたい」
蓮司「異世界行っても自己否定なの、逆に才能だろ」
日下部「……でも遥、魔法とか使えたら面白いんじゃないか? 火とか氷とか」
遥「……火? 俺が? ……いや、燃やされる方なら似合ってそう」
蓮司「出た、そっち方向。異世界でも虐げられてんの?」
日下部「……いや、それはダメだろ」
蓮司「じゃあこうしよう。俺が王子、日下部が騎士、遥が……魔王」
遥「……は?」
蓮司「ラスボス感あるじゃん。“本当は優しいけど、過去のトラウマで闇落ちした魔王”」
日下部「……あー、それはちょっとわかる」
遥「勝手に納得すんな」
蓮司「で、最終的に俺と日下部が遥を救う! 友情と愛の物語!」
遥「……その時点で転生した意味なくね?」
日下部「いや、楽しそうじゃん。少なくとも、俺は村人Cより魔王の方がいいと思う」
遥「……お前ら、なんかノリ良すぎだろ」
蓮司「ノリの悪い魔王って新しいよな。むしろ斬新」