憧れだった。
一早く教室の窓側で座っている姿は、差し込んでいる先に包まれそのまま消えてしまいそうで、どこが子供の頃に見たシャボン玉に似ているように見えた。思えばあの時の感情は俗に言う恋心だったのかもしれない。
彼女は物凄く美人だった。腕も脚も折れてしまいそうなほど細くて、心配になるほど色白だった。
「空を飛んでみたい」
彼女はシャボン玉を吹きながら呟いた。綺麗で自由なシャボン玉に昔から憧れていたらしい。既に余るほど奇麗だったのにな。
冷たい空にシャボン玉が舞っていた。なんだか懐かしい光景だ。空中で光を纏って、自由に踊って、気が済んだら破ぜて消えていった。それを見守り、私は花を持って歩いた
彼女はシャボン玉になった
コメント
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「気が済んだら破ぜて消えていった」という表現、めちゃくちゃカッコいい……✨
一次創作ですがこちらに投稿します。思いつきですが小説のリハビリも兼ねて休止まで出来るだけ毎日投稿したいなーと思ってます!よろしくお願いします(?)