テラーノベル
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宇宙空間を飛び回る天国美を箒に乗って追いかける。
「天国美!!天国美!!待ちなさいったら!!」
力の限り叫んでも天国美は止まる気配を見せない。
「すまねぇ地獄子……羽根さえ怪我してなきゃ、あんな奴ばびゅんと取っ捕まえられるのに……」
小守が悔しそうに顔をしかめる。
何か、何かないのか?
天国美を捕まえる方法……..。
そうだ。
私の魔法は、このためにあったんだ。
右目からブラックホールを発生させる。
「ゴートゥ……ヘル!!」
「わっ!?」
ブラックホールが天国美を吸い寄せる。
天国美の手を掴み、ゴートゥーへルを解除する。
「……離してください。私はこのまま太陽に身投げするんです」
「おバカ。太陽まであと何光年あると思ってるのよ……」
「このままだとおねぇちゃんが消えてしまいます……だから離してください!!」
翼をはためかせて天国美が私の手から離れようとする。
離さない。離すもんか。
「勝手にいなくなるなんてあんたドッペルゲンガー失格よ!!」
私の叫び声に天国美が翼をはためかせるのを辞めた。
「おねぇちゃん……」
「あんたがいなくなったら、生きていても死んでるのと同じじゃない。『行ってきます』も『ただいま』も『いただきます』も聞けなくなるのは嫌って、そう言ったのはあんたでしょ」
天国美を抱き寄せる。
「……帰るよ、天国美」
天国美が私を抱きしめ返す。
「……はいっ」
天国美の翼が、光となって消えていく。
私達姉妹が青く光り輝いた。
「まぶしっ」
小守が思わず目を瞑る。
「呪いが……」
「解けた……?」
私と天国美は顔を向き合わせ、お互いを抱きしめ、泣きながら笑った。
本当に、長い道のりだった。
楓子さん、ううん、名もなきドッペルゲンガー。
やったよ。私達、貴女のおかげで呪いに勝てたよ。
「……感動に水差すようで悪いんだけどよぉ」
と、小守が手を上げる。
「こっからどうやって帰るんだ?」
「「あ」」
気がつくと、私達は右も左も分からない宇宙空間にいた。
「どどどどうしましょうおねぇちゃん!?」
「バカ!あんたが月から逃げたからこうなったんでしょうが!!」
嘘でしょ?私達このままずっと死ぬまで宇宙を彷徨うの!?
その時だった。
「見つけましたよぉ」
うどんでできた龍に乗り、刑部が現れた。
「あなたは……全ての元凶!?」
「ひどい言い草ですねぇ天国美様。舎蘭様に頼まれて、あなた達を迎えに来ましたよぉ」
刑部が狸のしっぽを振り回しながらそう言った。
うどんで出来た龍に乗り、月まで向かう。
「月まで行けば阿波の空間魔法で生み出した経路から地球へと帰れますぅ。地獄子様、天国美様、数々の試練誠におつかれさまでしたぁ」
「……貴女、私達が憎くないの?私は、その、舎蘭を殺してしまったのに……」
私が刑部に尋ねる。
「……舎蘭様は死んでなどおりません。天国美様の身体の中に、確かに眠っております。我々四国連合は、今後地獄子様と天国美様の使い魔として、お二人の生活をサポートさせていただきますぅ」
「……けっ、どの面下げて味方面してやがんだ。お前のせいでママは死んだんだぞ」
小守が悪態をつく。
「何をおっしゃいますか。彼女もまた地獄子様のおなかの中で生きているじゃないですか」
刑部が悪びれもせずにそう言う。
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「っつーか地獄子。ママは今どういう状態なんだよ?ちゃんと助かるんだろうな?」
小守が私に振り向く。
「……分かんない、けど。必ず助けるよ。
あの人が私達を助けてくれたみたいに、今度は私があの人を助ける番だから」
小守が私をじっと見る。
「地獄子、お前本当に変わったよな」
「そう?」
「おぅ、前のオドオドビクビクしていた頃とはもう別人だぜ」
「……天国美の、皆のおかげよ」
「おねぇちゃん…….」
「あんたにも、あの人の復活を手伝ってもらうわよ」
天国美は涙を拭い。
「はいっ!!」
と向日葵のような笑みを浮かべる。
「ふふふ、私達四国連合もお二人のサポートをさせていただきますよぉ」
「おめーらが絡むとまた話がややこしくなるだろうが」
小守が呆れながらそう言った。
コメント
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第47話「ドッペルゲンガー失格」、読み終えました…っ🥀 宇宙空間で天国美を追いかける地獄子の必死さが胸に響きました。「ドッペルゲンガー失格よ!」って叫ぶシーン、重くて温かくて…。呪いが解けて抱き合う姉妹の姿に、涙が出そうになりました。楓子さん、ちゃんと報われたんですね。 最後の宇宙でのピンチに刑部が現れる展開も、この世界観らしくて好きです。小守の「変わったよな」で、地獄子の成長を感じられてじんわりしました。 47話、本当に濃密でした。次がどうなるのか、すごく気になります🌙