テラーノベル
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放課後。
さっきと同じ場所。
机がずらされて、中央だけが空いている。
そこに立たされる。
さっきより、少しだけ静か。
でも、空気は軽くない。
「なあ」
声がかかる。
近い。
「今のさ」
間。
「どこがダメだったか言えよ」
言われる。
一瞬、何のことか分からない。
でも、すぐに分かる。
さっきの。
あれ。
動いたことか。
止まったことか。
どっちも違う気がする。
でも、何か言わないと終わらない。
「……動いたのが」
口に出す。
「違う」
即座に返る。
間もない。
「浅い」
別の声。
「ちゃんと考えてる?」
笑いが混じる。
喉が少し詰まる。
もう一度、考える。
動いたのが違うなら、止まったことか。
「……止まったのが」
言う。
「それも違う」
重なる。
「どっちも違うって何」
思わず出る。
その瞬間、空気が止まる。
「は?」
低い声。
距離が詰まる。
「今、言い返した?」
目が合う。
逸らせない。
「違う、そういう意味じゃなくて」
言い直す。
「じゃあどういう意味?」
詰められる。
答えが出ない。
「……分からない」
正直に言う。
それしかない。
一瞬、間。
そのあと、笑いが漏れる。
「ほらな」
「分かってねえじゃん」
軽く言われる。
でも、逃げ場はない。
「じゃあさ」
別の声。
「なんで分かんないの?」
答えがない。
考える。
でも、さっきの流れが頭に残っている。
何を言っても違う。
分かっている。
「……考えてるけど」
口に出る。
「考えてる?」
繰り返される。
「その結果がそれ?」
笑い。
「意味なくね?」
何も返せない。
言葉が浮かばない。
「ほら、黙った」
すぐ来る。
「なんで黙るの?」
詰められる。
「答えろよ」
言われる。
でも、何を言えばいいか分からない。
さっき言った答えは、全部否定された。
新しい答えも、どうせ否定される。
頭が止まる。
「……分からない」
もう一度言う。
それしか出ない。
その瞬間、腹に衝撃。
強い。
息が抜ける。
声が出ない。
「分からないで済ませんなよ」
低い声。
「考えろって言ってんだろ」
さらに一歩近づく。
逃げ場がない。
「……考えてる」
無理やり出す。
息がうまく入らないまま。
「じゃあ言えよ」
即座に返る。
矛盾。
でも、正しいみたいに押し付けられる。
「……」
黙る。
「また黙った」
笑い。
「ほんと都合いいな」
肩を押される。
体が揺れる。
「喋れよ」
命令。
「でも喋ったら違うって言うじゃん」
思わず出る。
その瞬間、完全に空気が変わる。
「は?」
低い声。
笑いが消える。
「今、何て言った?」
距離が一気に詰まる。
逃げられない。
「違う、そうじゃなくて」
言い直す。
遅い。
「言い訳すんな」
腹に、もう一発。
さっきより深い。
息が完全に潰れる。
体が折れる。
「自分のせいだろ」
上から声。
「できねえの」
何も言えない。
言えないまま、呼吸だけを整えようとする。
でも、整わない。
「なあ」
少し離れた位置から声。
「じゃあさ」
軽い調子。
「次はちゃんと答えろよ」
また来る。
終わらない。
「今の自分のどこがダメか言え」
同じ問い。
でも、さっきより重い。
考える。
でも、もう分からない。
動いたのも違う。
止まったのも違う。
黙ったのも違う。
喋ったのも違う。
全部違う。
「……全部」
口に出る。
「は?」
すぐ来る。
「全部って何」
笑い。
「雑すぎ」
「逃げんなよ」
言葉が重なる。
また違う。
また外れる。
頭の中で、何かが崩れる。
考えても意味がない。
でも、考えないと責められる。
「答えろよ」
また来る。
逃げ場がない。
「……分からない」
もう一度言う。
その瞬間、腹に、三発続く。
間を置かず。
息が完全に止まる。
視界が揺れる。
膝が落ちそうになる。
でも、倒れない。
倒れたら、終わる。
分かっている。
「ほんと使えねえな」
誰かが言う。
笑いが戻る。
軽く。
でも、逃げ場はない。
遥は立っている。
呼吸が戻らないまま。
頭の中が空白のまま。
考えようとしても、何も出てこない。
考えること自体が、間違いみたいに感じる。
でも、
「考えろよ」
また言われる。
終わらない。
くつしたのあな
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コメント
1件
あおいです🤍 うーん…重かったです。読んでいて息が詰まりました。何を言っても否定されて、「黙る」も「喋る」も「考える」も全部間違いみたいにされる閉塞感。特に「倒れたら終わる」って踏みとどまる一文に、ぞっとしました。ruruhaさんの心理描写は、いつもリアルで、でも今回はとくに生々しかった。この先、どうなってしまうんだろう…続きが気になります。