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「なにチビってんだよ、ほんとにクズだな!」
岸田の声は教室中に響き渡る。周囲の視線が一斉に遥に集まり、背中に鋭い視線の針が刺さる感覚。誰もが口を半開きにし、興味と嘲笑の色を浮かべている。
「お前がいるだけで空気が腐るんだよ!」
背後から肩を押され、遥は前に倒れそうになる。床に手をつき、必死にバランスを取ろうとするが、岸田はその腕を踏みつけるように押さえつける。
「見ろよ、血だらけじゃねえか。ほんと弱っちいな、お前」
額から滴る血を指で弾かれ、クラスの一人が嗤う。遥は目を閉じ、痛みと羞恥で声が出ない。体中が痺れ、震えが止まらない。
「おい、泣けよ。泣けば少しはマシに見えるかもしれねえな」
その言葉が遥の胸をえぐる。泣きたいのに、泣けばまた笑われる。息が詰まるほどの屈辱が心を押し潰す。
岸田はさらに手を伸ばし、遥の髪を掴んで無理やり起こす。
「お前みたいなゴミ、誰も守ってくれねえんだぞ!覚えとけ、クズ!」
クラスメイトたちも遠巻きに嘲笑し、足で突いたり、肩を押したりして体を揺さぶる。遥は必死で耐えるしかない。呼吸は荒く、血の味が口の中に広がり、頭の痛みが脳天まで響く。
「ほら、顔見せろよ!ああ、ビビってる顔が最高に笑える!」
岸田の怒声と嗤い声が混ざり、教室中の空気が重く、冷たい絶望で満たされる。遥の胸の奥で、自己嫌悪と自己卑下の感情が渦巻き、全身を締め付ける。
「誰もお前のことなんか考えてねえんだよ!わかるか、ゴミ!」
その言葉に、遥は膝をつき、視界を血と涙で滲ませる。口を開いて反論しようとするが、声は震え、ほとんど出ない。
岸田はさらに身を乗り出し、顔を間近にして吐き捨てる。
「お前みたいな存在、早く消えればいいのに!」
その瞬間、クラスメイトの一人が肩を押し、遥は窓ガラスの破片の近くに倒れ込む。痛みと恐怖、羞恥が一度に押し寄せ、息が止まりそうになる。
周囲の生徒の嘲笑と嗤い声が響き渡る。遥の存在は完全に“笑いもの”であり、誰も手を差し伸べない。体の痛みと心の抉られた感覚が重なり、遥の意識はぐらりと揺れる。