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ruruha
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きゆう
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📩 相談
中学2年・Sさん
仲のいい友達が、ずっと欲しがっていたものを手に入れました。
その子が嬉しそうに話しているのを見て、私も「よかったね」と言いました。本当に、よかったとは思っています。
でも、家に帰ってから、急に嫌な気持ちになりました。
その子は最近、勉強もうまくいっているし、好きな人ともいい感じらしいです。私は何も変わっていません。
友達が幸せそうなのを見ると、嬉しいはずなのに、自分が取り残されたような気がします。
その子が失敗したらいいのに、とまでは思っていません。でも、私にも何かいいことがあればいいのに、と思います。
そんなことを考える自分が嫌です。
友達の幸せを、心から喜べない私は、本当はその子のことが好きじゃないんでしょうか。
遥「……友達が喜んでるときに、自分だけこんな気持ちになるの、嫌だよな」
蓮司「Sは、その子が幸せなのが嫌なの?」
S「……分かりません。嫌というより、苦しくなります」
蓮司「じゃあ、その子が今のまま幸せで、Sにも同じくらいいいことが起きたら?」
S「それなら、たぶん普通に嬉しいです」
蓮司「じゃあ、友達の幸せそのものが嫌なわけじゃなさそうだな」
日下部「その子の話を聞くたびに、自分の状況を確認させられるんだろう」
S「そうかもしれません。友達が何かを手に入れるたびに、私は何も持っていない気がします」
遥「……その子の話を聞く前から、自分のことを気にしてた?」
S「いえ、普段はそこまで考えていません。でも、その子が嬉しそうにしていると、急に気になります」
蓮司「人の近況報告って、ときどき自分の成績表みたいに聞こえるんだよな」
S「……そうです。誰も比べていないのに、私だけ比べている気がします」
蓮司「しかも相手は、ただ嬉しいことを話してるだけなんだろ?」
S「はい」
蓮司「それがまた厄介なんだよ。相手は何も悪くないから、嫉妬してる自分だけが悪者になる」
遥「……友達に何かされたわけじゃないのに、友達といるのがつらくなるんだな」
S「はい。そんな自分が嫌で、最近はその子の話を聞くのも嫌になってきました」
日下部「友達が喜んでいる最中に、自分の気持ちを全部きれいに整えようとする必要はないだろ」
S「でも、顔に出ていたらどうしようって思います」
蓮司「そこまで気にしてたら、友達の話を聞きながら、自分の顔の監視までしてることになるな」
S「……確かに」
蓮司「相手の話を聞く。笑顔を作る。嫉妬してないか確認する。ちゃんと喜べているか採点する。忙しすぎだろ」
遥「……俺だったら、途中で何の話をしてたか分からなくなりそう」
S「ちょっと分かります。友達が話している内容より、自分がどう反応しているかばかり気になります」
日下部「それなら、まず反応を完璧にしようとするのをやめればいい」
S「どういうことですか?」
日下部「『よかったね』と言えたなら、それで会話は成立している。胸の中まで同じ温度にする必要はない」
S「でも、それって嘘じゃないですか?」
蓮司「何が?」
S「心から喜べていないのに、よかったねって言うのは」
蓮司「Sは、その子が失敗してほしいと思ってるわけじゃないんだろ?」
S「はい」
蓮司「その子が欲しがってたものを手に入れたこと自体は、よかったと思ってるんだろ?」
S「……思っています」
蓮司「じゃあ、そこまで嘘にしなくていいじゃん。自分が苦しいことまで、相手への悪意に変換するなよ」
遥「……嬉しいって気持ちが、いつも同じ強さで出てくるわけじゃないと思う」
S「……」
遥「俺、誰かが褒められてるのを見て、すごいなって思うことはある。でも、そのあと自分のことが嫌になると、さっきの『すごい』まで嘘だった気がしてくることがある」
S「遥くんも、そうなるんですか?」
遥「……なることはある」
S「じゃあ、どうしたらいいんでしょう」
遥「俺は、すぐに答えを出せないと思う。嫉妬したら、そんな自分が嫌になるし。そういうの、簡単にはなくならないから」
蓮司「なくすことを目標にすると、嫉妬するたびに失敗扱いになるぞ」
S「……」
蓮司「それより、Sが本当は何を羨ましいと思ってるのか、そっちを考えたら?」
S「何を……?」
蓮司「友達が好きな人とうまくいってるのが羨ましいのか。勉強がうまくいってるのが羨ましいのか。それとも、友達が楽しそうにしてるのを見て、自分には楽しみがないと思うのか」
S「……全部かもしれません」
蓮司「じゃあ、全部でいいだろ」
S「全部……」
蓮司「嫉妬って、相手を嫌いだという証拠だけじゃないと思う。自分が欲しいものを、他人が持ってるときにも出てくるだろ」
日下部「ただ、欲しいものが分かったところで、すぐ手に入るとは限らない」
蓮司「まあな」
日下部「だから、友達の幸せを見た直後に、自分も何か成果を出そうとしなくていい。焦って始めたことは、うまくいかなかったときに余計に自分を責める材料になりやすい」
S「……私、友達がいいことを報告してくるたびに、何かしなきゃって思っていました」
日下部「何かしないと、置いていかれる気がするからか」
S「はい。次に会うまでに、自分にも何かいいことがあればいいのにって」
遥「……次に会ったとき、何も変わってなかったら、また苦しくなる?」
S「たぶん」
遥「そっか……」
S「友達は悪くないのに、会いたくないと思うこともあります。自分が惨めになるから」
蓮司「それは、ちょっと考えたほうがいいな」
S「やっぱり、友達なのに距離を置くのは駄目ですか?」
蓮司「駄目とは言ってない。ただ、何を避けたいのかは考えたほうがいい」
S「……何を?」
蓮司「その友達なのか、それとも、友達と会うたびに自分を負けた側だと思う時間なのか」
S「……」
蓮司「もし後者なら、友達と離れても、別の相手を見つけて同じことをするかもしれないだろ」
日下部「ただし、今すぐ自分の嫉妬を克服するために、その友達と会い続ける必要もない。しんどいときは、別の話をしたっていい」
S「友達に、最近ちょっと疲れてるから別の話をしたいって言ってもいいんでしょうか」
日下部「それでいい。友達の幸せを否定しなくても、会話の内容を変えることはできる」
遥「……俺だったら、相手の幸せを喜べない自分が嫌で、余計に相手から離れたくなるかもしれない」
蓮司「でも、離れたあとで相手のことを考え続けるなら、距離だけじゃ解決しないかもな」
遥「……そうだな」
S「私、友達が幸せになっていくのを見ると、いつか私とは話が合わなくなるんじゃないかとも思います」
蓮司「それはまた別の怖さだな」
S「……はい。今までは同じようなことで悩んでいたのに、その子だけ先に進んでいく気がして」
遥「同じことで悩んでたから、仲良くなれたの?」
S「それだけじゃないと思います。でも、共通の話題は多かったです」
日下部「相手の状況が変われば、話す内容も変わる。そこは実際に付き合っていく中で分かることだろ」
S「……友達が変わってしまうのが嫌なのかもしれません」
蓮司「それなら、嫉妬だけの問題じゃないな。今までの関係が変わるのが怖いんだろ」
S「はい」
遥「……その子が幸せになるのは嬉しい。でも、自分だけ置いていかれる気がする。前みたいに話せなくなるのも怖い。いろんな気持ちがあるんだな」
S「そうです。自分でも、何が嫌なのか分からなかったんです」
蓮司「全部まとめて『私は性格が悪い』で終わらせてたからだろ」
S「……はい」
蓮司「それだと、何も分からないまま自分を嫌いになるだけだ」
日下部「次にその友達が嬉しい話をしてきたら、無理に自分の気持ちを判定しなくていい。話を聞いて、そのあと自分が何を羨ましいと思ったのか、ひとつだけ考えてみればいい」
S「ひとつだけ……」
日下部「全部を一度に理解しようとしなくていい。分かったことがあれば、自分の生活の中でできることを考えればいい」
S「……友達が幸せになったことを、私が喜べなかったとしても?」
遥「……それで、友達のことが好きじゃなかったって決まるわけじゃないと思う」
蓮司「少なくとも、今の話だけで友情を偽物扱いするのは早いだろ」
日下部「これからどう接するかは、Sが決めればいい。嫉妬したという理由だけで、自分の気持ちを全部否定する必要はない」
S「……ありがとうございます」
遥「俺も、誰かを羨ましいと思ったとき、自分が嫌な人間かどうかばかり考えないようにしたい」
蓮司「おまえはまず、自分が欲しいものを考える前に、自分には何もないって決めつける癖をどうにかしろ」
遥「……簡単に言うなよ」
日下部「簡単じゃないから、考えるんだろ」
遥「……うん」
🗝 三人からのことば
遥「誰かを羨ましく思ったとき、自分の嫌なところばかり見なくてもいいと思う。相手を大事に思う気持ちがあっても、自分のことで苦しくなる日はある。そういう自分を知ることから始めてもいいんじゃないかな」
蓮司「嫉妬したら、相手を嫌いなのか、自分が何かを欲しがっているのか、ちゃんと考えてみろ。『性格が悪い』で片づけるのは楽だけど、それじゃ自分が何を望んでいるのか、一生分からないままだ」
日下部「羨ましいと思ったことを、すぐに行動に変える必要はない。何が羨ましかったのか分かれば、次に自分が何をしたいのかも考えやすくなる。友達の幸せを見て苦しくなった自分まで、罰する必要はない」
コメント
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うわ、これはすごく刺さる話だった……。自分も心当たりがありすぎて、読みながら何度も止まっちゃいました。 Sさんの「友達が嬉しそうにしてると急に気になる」って感覚、すごくリアルだなと思いました。蓮司の「嫉妬を全部『性格が悪い』で片づけるな」って言葉が特に響きましたね。自分の気持ちを悪者にしないで、まず「何を羨ましいと思ったのか」をひとつだけ考える——その優しい距離感が素敵だなって。 ruruhaさんの三人のキャラそれぞれの返し方、本当に絶妙でした。