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るるくらげ
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保谷東
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「ちょうどよかった、真本君。合格だから」
と紙を渡してきてくれたのは矢代さんだった。たまたま僕を学内で見かけたらしく、声をかけてきてくれた。
「合格ですか?」
「そう、合格。キミはこれで今から森田研に所属になる」
何というかこんな何もない通路で渡されることになるとは思わなかったけれど、もっと思わなかったことを矢代さんから聞くことになる。
「じゃあ、ゼミは今日の午後あるから。森田先生がやるゼミだから出ないとだめよ」
「今日ですか?」
「そう」
すごい急だな。というのとあれ?ゼミって本来ならもっと後に始まるんじゃないの?という疑問が出てきた。腕時計を確認するとまだ9月。多分普通なら年越して2月くらいに始まるもんだとばかり思っていた。
「じゃあ、そういうことで」
というと矢代さんは行ってしまった。
その日の講義が終わると、三浦君が話しかけてきた。
「真人、今日もこの後部活か?」
「いや、ゼミがあるらしい」
「ゼミ?」
「そう、森田研に受かった。それで今日、ゼミがある」
「・・・早くないか?」
「うん、僕もそう思うけど」
そうは言っても言われたのだから仕方がない。それに森田先生のゼミということは卒業に関わる卒研についてのことだろうし、おまけに1回目だ。行かないわけにはいかないだろう。
僕は三浦君と別れて、この間面接をやった部屋に向かった。まだ来る時間が早かったのか、そこには4年生の人が2人いて、机を動かしている。
「お、来たね。早速でわるいんだけど、机を動かすのを手伝ってくれないか」
4年生以外にも2人いた。彼らは3年生。つまり僕と同じように森田研の合格者、そしてこれからの研究生活を共にしていく仲間みたいな存在に成る。と、頭の中ではわかっていたのだけれど、なんか実感がわかなかった。
3年生の2人の名前は知っている。1人は伊佐木君。もう1人は中村くん。
「とりあえず動かせばいいですか?こんな感じで」
「うん、とりあえずそれでいいよ」
机をコの字型にしたいらしく動かしているというのは何となく見ればわかった。そしたら椅子を置いて、ホワイトボードを置く。
そんな事をしていると次々に合格者がやってきて、いつの間にか全員が揃っていた。その中に早坂君の姿も。あれだけ緊張していたのだけれど、今日は安心感のあるそんなひょじょうをしていた。
のだけれども特に話すことは無い。
唯一話せそうなのが早坂君。けれど、何を話すのかも、そういうのも何も無いまま時間が経過していく。