テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
蓮司「でもさ、“友達”って線引きむずくね? 依存と何が違うんだろ」
日下部「……依存は、相手がいないと自分を保てなくなることじゃないか」
遥「……それって、俺ほとんどの人に当てはまらないわ。誰かと一緒にいて楽になる感覚、あんま無いし」
蓮司「おー、孤高の人。いや、孤立の人か」
遥「……褒め言葉じゃねーな」
日下部「でも、そういうのって無理に求めるもんでもないと思う。友達が多いのが偉いわけでもないし」
蓮司「ふーん。じゃあ日下部にとって、遥は友達?」
日下部「……当たり前だろ」
蓮司「速攻で答えるじゃん。いいねー」
遥「……俺はどう答えたらいいんだ」
蓮司「“まあ利用価値あるから”とか言っとけよ」
遥「いや、俺別にそんな……。ただ……一緒にいても疲れない、って意味なら、二人は珍しい方だと思う」
日下部「……それで十分だ」
蓮司「おお、遥がちゃんと前向きっぽいこと言った。進歩進歩」
遥「前向きって……。俺はただ事実を言っただけ」
日下部「……でも、それって依存とは違うだろ。頼るんじゃなくて、隣にいても崩れない相手」
蓮司「“崩れない”か。いいワードだな。俺は崩れていくの見るの好きだけど」
遥「お前な……」
蓮司「冗談冗談。でもマジで、俺にとっては“孤独が保てるのに、ひとりじゃない感じがする”やつが友達かも」
遥「……それ、ちょっとわかる」
日下部「……俺も」
蓮司「なんだよ、結局3人とも似たとこあるんじゃん。依存じゃなくて、“孤独を持ったまま一緒にいられる相手”」
遥「……それなら、悪くない」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!