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高校一年生・仮名:Rさん
特別なことは、何も起きていません。
殴られたこともないし、
怒鳴られたこともありません。
それなのに、家にいると気が抜けません。
足音やドアの音に敏感になって、
誰かの機嫌を無意識に読んでしまいます。
理由を聞かれても説明できなくて、
「考えすぎだよ」と言われると、
自分がおかしいのかなと思ってしまいます。
何もされていないのに、
ずっと怖い私は、変なんでしょうか。
遥
「変じゃない。
Rさんの話聞いて思ったのは、“何も起きてない”って言葉で、ずっと自分を黙らせてきたんだろうなってことだ。
怖いって感覚があるのに、それを否定され続けると、人は自分の感情ごと止める。
だから今も、理由が分からないまま
体だけが先に反応してる。
それは弱さじゃない。
ちゃんと危険を察知して生きてきた証拠だと思う」
蓮司
「俺は少し違う見方をしてて。
Rさんは“怖がり”なんじゃなくて、安心を経験する機会がなかったんだと思う。
怒鳴られない、殴られない、それだけだと人は安心できない。
“何も起きない時間が続く”ことで、初めて心は緩むんだ。
でもRさんの家では、常に何かに備えなきゃいけなかった。
だから今も、安心の仕方を知らないだけ。
それを“変”って呼ぶのは、違う」
日下部
「……俺はな。
Rさんが一番つらいのは、怖さそのものより、その怖さを“証明できない”ことだと思う。
理由が言えない恐怖は、自分でも信じられなくなる。
でも、体が覚えてる反応は嘘をつかない。
言葉になる前の記憶、空気、沈黙、間。
そういうものに長く晒されると、人は“何もされてないのに怖い”状態になる。
それは説明できなくて当然だ」
遥
「Rさん、“何もされてない”って言葉、もう使わなくていい。
代わりに “ずっと緊張してた”
それで十分だ」
蓮司
「安心できない自分を直そうとしなくていい。
まずは、安心できなかった過去を認めるところからだ」
日下部
「……怖かった、で終わらせていい。理由は、後からついてくることもある」
🗝 三人からのことば
遥
「怖さは出来事じゃなく、積み重なった空気から生まれる」
蓮司
「安心は才能じゃない。経験だ。知らなかっただけ」
日下部
「説明できない感情ほど、無視しないでほしい」