テラーノベル
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私が楓子さんと別れた翌日も、私は変わらず携帯販売員の仕事に行った。
「へるちん、今日も契約取ったん?やるねぇー」
ギャルメイク先輩が私の働きぶりを見て目尻を下げる。
「ありがとうございます!!先輩達の指導の賜物です!!」
私は満面の笑みでそう言った。
正直、仕事があってよかった。何もせずくよくよしているよりも仕事をしている方が気が楽だからだ。
「いらっしゃいま……せ…….」
私が百点満点の営業スマイルで接客をしてると招かれざる客が来た。
「すいませーん、スマホ買い替えたいんすけどおすすめありますかぁ?」
紫色のギザギザツインテール。紫と黒を基調にした地雷系ファッション。そしてあのクソ生意気な目付きと牙。
女子高生姿の小守がにやぁっと悪い笑みを浮かべながら私にそう言った。
私は慌てて小守に近づき、ひそひそ声で話した。
「ちょっと小守!?あなたなんでここにいるんですか!?」
「ママに頼まれたんだよ。今日、お前がとんでもない災難に見舞われると占いに出たから
様子を見てきてくれ、何かあったらすぐ報告してくれって」
「そうだったんですね……」
恋人じゃなくなった後も私を心配してくれる楓子さんのことを思い嬉しさと同時に胸が苦しくなる。
「それにしても災難ってなんなんでしょう……?」
「さぁな?っていうかオレ今店員さんにオススメのスマホ聴いてるんですけどぉ?え?なんなんですかぁ?ここの店員さんは客を待たせるスタイルなんですかぁ?」
思わずグーで殴りたくなるほどの表情を浮かべながら小守が私を煽る。
私はアンガーマネジメントのために深呼吸をした後
「それでしたらこちらの機種がおすすめですよぉ」
とおこちゃま用の携帯を小守に渡した。
(あぁ!?オレがガキだって言いてぇのかぁ!?)
小守が青筋を立てながらテレパシーで突っかかってくる。
「お客様にはお似合いじゃないでしょうかぁ?」
まぶたをぴくぴくさせながら、私は営業スマイルを崩さずにそう言う。ここが職場じゃなければ天魔覆滅・神聖断罪ビーム(エンジェル・ルシファー・エクスプロージョンビーム)をお見舞いしてやったところだ。
その時、急に店内が大きく揺れ出した。
「何だぁ、地震かぁ!?」
小守がびっくりして私に抱きつく。
すると空中に黒い靄が発生し、そこから5人のテロリストが現れた。
テロリスト達は皆、全身黒いタクティカルスーツを身に付け、防弾ベストを着用し、ガスマスクを付けている。そして防弾ベストの胸元には紫色の魔方陣のようなマークがある。
どうやら全員女性のようだ。
(これは……黒魔術!?)
テロリストの一人が銃を発砲すると店内の客や同僚達が悲鳴をあげた。
「うるせぇ!!静かにしろ!!静かにしねぇと打つぞ!!」
テロリストの一人そう声を荒げる。
そしてテロリストのリーダーと思わしき女が私に近づき私に手を差し伸べた。
「お迎えにあがりました地獄子様、呪いの魔女、堂々巡沙羅の血を引く依代よ」
「え…….?」
事態をまるで飲み込めぬまま私はテロリストに手を引かれ黒い靄の中に飲み込まれた。
タイムリミットまであと27日。
コメント
1件
第29話読了!天国美が仕事に没頭して気を紛らわせようとする心境、切なかったな。小守の煽りに対して営業スマイルを保ちつつ内心でビームをお見舞いしたくなる気持ち、めっちゃわかる(笑)。でもそこから一気にテロリスト襲撃で「地獄子様」呼ばわりされて連れ去られる展開、マジでビビったわ。堂々巡沙羅の血筋って伏線?楓子さんの予言も的中してるし、タイムリミット27日で次回が待ちきれない🔥
99
comi
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81