テラーノベル
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私と楓子さんはとあるショッピングモールにある映画館に来ていた。
私の呪いを克服するため楓子さんと付き合うことになった翌日、私達は共通の趣味である魔法少女お料理マカロンの映画を二人で見に行こうということになったのだ。
ポップコーンのいい匂いがする。
モニターには最新映画の予告映像が大音量で流れていた。
「見てよ地獄子ちゃん。劇場版お料理マカロンの限定ステッカーだよ」
そう言って楓子さんが売場コーナーのステッカーを指差す。
「わぁ……!!」
と、ゴスロリ姿の私がステッカーを見て目を輝かせる。
元々教育番組のアニメだったお料理マカロンは10数年前に放送が終了して以降公式からの供給がほとんどなかった作品なのだ。
なのでこのアニメ映画化は奇跡。
このステッカーは奇跡の産物なのだ。
「映画、楽しみだね、地獄子ちゃん」
楓子さんが綺麗な黒の長髪を指でかきあげながら穏やかに微笑む。
こうして改めて見るとすごい美人だ。
心なしか周囲がきらきらしてる気がする。
映画館でポップコーンを買うために並んでいるJK達も
「あの黒いドレスのお姉さん綺麗。モデルさんなのかな?」
と色めきだった声で噂していた。
呪いのせいで姿が見えなくて反って良かったかもしれない。
もし私なんかが楓子さんと二人きりで並んで歩いていたら世間から何かしらのバッシングを受けてしまうのではないだろうか?
「うん、どうやら時間だね。行こう、地獄子ちゃん」
そう言って楓子さんが私の手をそっと握る。
思わずどぎまぎした。
「ママ、地獄子、大変だ!!」
その時、コウモリ形態の小守が慌てた様子で
私達の元にびゅんと飛んできた。
相当慌てていたのか飛んできた小守が私の顔に高速でぶつかる。
「ぎゃん!?」
私は鼻血を出しながら大きく仰け反った。
「どうしたのよ小守、そんな慌てて…..」
ドクドク溢れる鼻血を抑えながら私が訪ねると
「天国美が拐われた!!」
と小守が青ざめた顔でそう言った。、
「なんですって!?」
「本当なんだよ!!ママに言われて天国美の職場で見張ってたら職場に黒い靄が現れて突然テロリストが出てきて天国美を捕まえたんだ!!」
「テロリストって…….天国美は無事なの!?」
私は小守に詰めよった。
「分かんねぇ…….天国美が殺されちゃったらどうしよう…….」
小守が涙声で言った。
天国美が…….殺される?
私は身体の震えが止まらなかった。
(落ち着いて、小守、地獄子ちゃん)
楓子さんが私たちをテレパシーで宥めた。
(まだ地獄子ちゃんにかけられた呪いは解けていない。つまり天国美はまだ生きている)
楓子さんの言葉に、私は少しだけ冷静さを取り戻す。
(とはいえ事態は一刻を争う。ちょっと待ってて、今占いで天国美の居場所を占うから…..)
そう言って楓子さんが水晶を取り出した。
突然楓子さんが占いを始めたので映画館にいる人達が俄にざわめいた。
(……..見つけた。天国美は今、香川県の山奥の小屋の中にいる。)
香川県?なんだってそんなところに…….。
(これは……どういうことだ?)
水晶を見ながら、楓子さんが困惑の表情を浮かべる。
「おい何が見えたんだよママ!?」
「天国美は!?天国美は無事なんですか!?」
私と小守が同時の楓子さんの水晶を覗き込む。
「…….何これ?」
山小屋の中には縄で縛られた天国美がいた。天国美を取り囲むように四匹の狸、それから狸耳にしっぽの生えたおかっぱ頭の女子高生の姿が見えた。
「…….こいつらがさっきのテロリストってことかよ……!?」
小守が羽をパタパタさせながら首を傾げる。
天国美はこの狸達に拐われたのか?
一体何故?なんのために?
「おねぇちゃん」
脳裏に天国美の笑顔が浮かぶ
あの子が拐われた理由は分からない。でも____。
私は決意をこめた表情で楓子さんの方を見た。楓子さんが真剣な顔で私を見る。
(すまない地獄子ちゃん。映画デートはまた今度だ。皆で天国美を助けに行こう。)
当然だ。天国美の無事を確認しなきゃポップコーンだって喉を通らない。
私はぐっと拳を握りしめた。
小守はポンッとJKの姿に変身した。
「はい!!」
「おぅ!!」
私と小守は大声で返事をした。
「ばっびゅーーーん!!!」
小守が箒に乗った私の肩を掴み大きなコウモリの羽根をはためかせて加速する。
「お願い …….無事でいて……!!」
私は箒を握りしめながら風を切り裂き空を飛ぶ。
斯くして私たち三人は囚われた天国美を助けるため、箒に乗って香川県の山奥へと向かうのだった。
タイムリミットまであと28日。
コメント
1件
うわっ、急展開すぎてびっくりしました!楓子さんとの映画デート、いい雰囲気だったのに天国美が拐われるなんて……。しかも犯人が狸の集団と女子高生って、なんだか不気味で気になりますね。楓子さんの占いで居場所は分かったけど、狸たちの目的が気になる。28日のタイムリミットも不穏すぎます。続きが気になる終わり方で、思わず次を読まずにはいられません!早く天国美を助けに行ってあげてほしいです!