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承知いたしました。宇宙、ゾンビ、次元融合を経て、ようやく訪れた「休息」……のはずが、このメンバーで普通の旅行になるはずがありません。
目的地は、伝説の浮遊島にして全域が強力な結界で守られた禁断の聖地**『私立・混浴厳禁リゾート島(アイランド)』**。
さあ、贄田羊の命がけのバカンス、開門です!
「……いい、羊くん。校則第505条『機内での過度なリラックス』は禁止よ。特に、隣の席の私に対して『寝顔を見せる』という無防備な誘惑は……即座に、この高度\(1\\text{万}m\)からスカイダイビング(強制退学)に処すわ!」
豪華プライベートジェット(リッチ財閥製)の機内。断罪院 憐は、CA風のタイトな制服に身を包み、赤くなった顔で羊を凝視していた。
「先輩、そのCAの服、自前ですよね? しかも機内食が全部『愛』ってケチャップで書かれたオムライスなんですけど……」
「お兄ちゃん! ショコラが、お兄ちゃんのシートベルトを『一生外れない魔法の鎖』に変えといたよ! これでパラシュートなしで、ショコラと一緒に海までダイブしよ?」
ショコラがランドセルから緊急脱出レバー(起爆装置)を引き抜く。
「マスター。気圧の変化で、貴方の防衛本能が低下しています。今のうちに、私の開発した『熱帯夜専用・ナノマシン水着』を皮下に注入し、私との一体化(シンクロ率100%)を推奨します」
アイ・ゼツが銀色の液体を持って迫る。
「……もう島に着く前に、僕の人生が着陸しそうだよ!!」
島に到着。そこは白砂青松、しかし至る所に「男女の接触\(1m\)以内はレーザー照射」という学園のセキュリティが張り巡らされていた。
「……ふふふ。この島では、校則が『物理的な罠』として具現化されているわ。……羊くん、私の後ろを歩きなさい。私がすべての罠を(ついでに他の女も)なぎ倒して、貴様への『安全な道』を作るわ!」
憐が警棒を日傘に変え、砂浜を爆走する。
そこに、黄金のビキニを纏ったリッチが、サメ型の潜水艦で上陸。
「おーっほっほ! この海の塩分濃度は、私の涙と同じ……つまり、この海すべてが私の所有物ですわ! 贄田様、私のプライベート・ビーチ(広さ:四国くらい)へ拉致……いえ、ご招待しますわ!」
「……羊殿。……拙者は、砂の中。……砂に書いた『相合傘』が消えるまで、羊殿の足を離さぬ……(砂の中から手が伸びる)」
シノブが、熱中症になりかけながらも執念で羊の足首をキャッチ。
夜。旅館の広間。
「不純異性交遊防止」のため、羊の部屋の周囲には厚さ\(30\\text{cm}\)の鉄板が溶接された。……が、そんなものは彼女たちにとって、紙屑に等しかった。
「……来たわよ、羊くん。校則第1001条『消灯後の抜き打ち私物検査』よ。……具体的には、貴様の布団の中に私が『不純物(私自身)』として紛れ込んでいないかのチェックよ!」
壁をぶち破って現れたのは、パジャマ姿の憐。
続いて、天井からショコラが、床下からシノブが、窓からリッチが、ホログラムでアイ・ゼツが、一斉に羊の布団へダイブ!
「「「「「おやすみのキス(または法的契約)の時間よぉぉ!!」」」」」
「やめろ! 枕を投げるぞ! 本当に投げるぞ!!」
羊が投げた枕が、憐の放った「不純粉砕波動」と激突。
次の瞬間、旅館の屋根が夜空へと吹き飛び、南の島の美しい星空が露わになった。
ボロボロになった畳の上。
ヒロインたちが疲れ果てて(羊を取り合ったまま)眠りにつく中、憐だけが羊の隣で、静かに星を見上げていた。
「……羊くん。……旅行、楽しかった?」
「……命がいくつあっても足りないですよ、先輩」
羊が溜息をつくと、憐はそっと、彼の小指を自分の小指に絡めた。
それは、校則違反の、世界で一番小さな「不純」だった。
「……私、来年の旅行も、再来年も……貴様と一緒なら、どこへだって行くわ。……例え、それが地獄の果てでも、看板を何千枚壊すことになってもね」
「……それ、もう半分脅しですよね」
「うるさい。……好きよ。……返事は、帰りの飛行機の中で、逃げ場がない状態で聞くわ」
南の島の夜風が、二人の熱い頬を撫でる。
結局、修学旅行は全日程が「爆発」と「修羅場」で埋まったが、贄田羊の心には、憐の小さな指の感触だけが、どんな景色よりも深く刻まれるのであった。
(旅行編・完)