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朝倉ねー😅😅😅
お兄さん登場までは良かったけど👉👈💦↓お二人と同じく…朝倉さんが…ん〜💧何事も起こりませんように😱💦
これは強い味方がっ💪🤭 お兄ちゃん心配で見に来るなんて優しいな〜☺️ うーんキニナル…朝倉さん… 穏やかな山荘に嵐を巻き起こさないで…🙏
翌朝、優羽は朝の食堂での仕事を終えると、流星を保育園へ連れて行く為に山荘の出口を出た。
するとちょうど朝の散歩を終えた岳大が戻って来た。
「おはようございます。昨夜はありがとうございました」
「おはよう、いえこちらこそ。お陰で星座の知識が増えましたよ」
岳大はそう言って微笑むと、今度は流星に言った。
「流星君は今から保育園かな?」
「うん! きょうはね、だいきくんとたんけんごっこをするんだよ」
流星は得意げに言う。
すると岳大が、
「探検ごっこかぁ…それは楽しそうだなぁ。どんな探検だったか帰って来たら教えてね」
「わかった! たけちゃんにいちばんにおしえるからね」
流星はニコニコして言うと、嬉しそうに車の方へ走って行った。
「じゃあ行ってきます」
「気をつけて」
優羽は岳大に軽く会釈をすると、車の方へ歩いて行った。
そしてその日の昼過ぎ、岳大や今日もカフェで仕事をしていた。
この日はコーヒーの他にサンドウィッチも注文する。
今日の昼はここで軽く済ませるようだ。
岳大が二杯目のコーヒーを注文した時、一人の客がカフェに入って来た。
優羽が顔を上げて「いらっしゃいませ」と声をかけると、そこには優羽の兄の裕樹が立っていた。
裕樹は役所の作業着を着ている。
「お兄ちゃん!」
優羽がそう叫ぶと、兄の裕樹は笑顔で言った。
「どうだ? もう仕事には慣れたか? 近くを通ったから様子を見に来た」
「わざわざ見に来なくても大丈夫よ! ちゃんとやってるから」
「というのは言い訳で、本当はサボりに来たんだ。コーヒーをもらおうかな」
裕樹は妹にそう言うと、岳大の斜め前の席へ座った。
今座った男性の事を、岳大はそれとなく観察する。
どうやらこの男性は優羽の兄らしい。信濃大町に住んでいる家族の一人なのだろう。
男性は役所の名前が入ったジャンパーを着ていた。
おそらく市の職員だと思われる。
ここで働き始めたばかりの妹を心配して様子を見に来たようだ。
その時岳大と裕樹の目が合った。
そして裕樹が「あっ!」と叫んだ。
「佐伯さんですか?」
いきなり名前を呼ばれたので岳大は驚いていた。
「はい…えっと、どこかでお会いしましたでしょうか?」
「はい、二年ほど前市役所で。この街のPR冊子の表紙の写真をお願いした際に一度お会いしております」
裕樹はポケットから名刺を出すと岳大に渡した。
「ああ、あの時の…」
岳大はすぐに思い出したようだ。
「その節はありがとうございました。あの時は信濃大町の星空の写真をご提供いただき本当に助かりました。お陰様でこ
の街の知名度もグッと上がり、佐伯さんの写真を見て信濃大町に寄ってみたという旅行者がかなり増えたんですよ。本当にあり
がとうございました」
「いやあ、お役に立てたのなら良かったですよ」
二人が話している所へ、優羽がコーヒーを持って来た。
「あっ、これは僕の妹なんです。最近ここで働き始めたばかりで…至らない点があるかとは思いますが、どうかよろしくお願い
します」
そう言って深々と頭を下げた。
「いえいえ、優羽さんは立派に働いていらっしゃいますからどうぞご安心ください」
岳大はそう言って笑った。
「二人は顔見知りだったのね!」
優羽が驚いてそう言うと、二人は同時に頷く。
その後裕樹は岳大のテーブルの前に座ると、しばらく二人で談笑していた。
カウンターに戻った優羽はそんな二人を微笑んで見ていた。
その日の午後、駐車場に一台の車が入って来た。
ガッチリした黒のRV車からは一人の若い男性が降りて来た。
年の頃は優羽よりも少し上くらいの、さわやかな印象の男性だった。
男性は重そうなバッグを肩に担ぐと、優羽のいるフロントまで来て言った。
「今日からお世話になります。予約していた井上と申します。数日前からこちらに泊まっている佐伯の連れなのですが…」
優羽はこの男性は岳大の仕事関係者なのだとすぐにピンと来た。
「お待ちしておりました。佐伯様は今カフェに方にいらっしゃいます」
井上のチェックインのサインが終わると、優羽はカフェへ案内する。
すると奥から「やっと来たな」と岳大の声が響いてきた。
その後井上の笑い声がカフェから漏れてくる。
優羽がすぐにカフェに向かうと、井上がコーヒーの注文をしたので、
優羽はすぐに準備をして井上に持って行った。
その後、もう一台車が入ってくる音が聞こえたので、優羽はすぐにフロントへ戻った。
レンタカーと思われる車からは、五十代の男性と三十歳前後の女性が降りて来た。
二人はフロントまで来ると、女性の方が優羽に言った。
「今日予約している前田と朝倉です」
「お待ちしておりました」
優羽は早速チェックインの手続きを始める。
おそらくこの二人も岳大の仕事仲間なのだろう。
二人がチェックインをしていると、井上がカフェから出て来て言った。
「前田さん、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
と二人を岳大の元へ案内する。
優羽は再びカフェへ行き、コーヒーの追加注文を受けたので二人分のコーヒーを持って行く。
四人は椅子に座りコーヒーを飲みながらしばらくの間話をしていた。
その後夕方にかけてさらに四組の宿泊客がチェックインし、その日山荘の部屋は満室になった。
今夜の食事の時間は忙しくなるだろう。
優羽は夕食前の配膳を手伝う為に、今日は少し早めに流星を迎えに行こうと保育園へ向かった。