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山神山荘山の神様が臨在してそうな名前…運命の山荘
わぁ〜✨全て良い方に進んどるね⤴️⤴️⤴️🍀🍀🍀優羽チャン面接頑張って⤴️⤴️⤴️💪💪💪
ビビビっと何かを感じたのよね⁉️ 保育園からも近く、住み込みでシングルマザー歓迎だなんてこれは運命だわね✨ もし決まったら恵子さんがガッカリしそうだけど、離れてもしっかり結ばれてるから大丈夫だね🎀 いい所でありますように…(人˘ ˘*)
次の週、優羽は珍しく一人で大型スーパーにいた。
この日は流星が昼寝をしてしまい、これから用事のある優羽が困っていると、
母の恵子が流星の事は見ているからたまにはひとりで行っておいでと言ってくれた。
優羽はこの日入園が決まった保育園への挨拶と、その後市役所と職安に寄る用事があり、
その後買い物に行く予定にしていたので母の申し出に感謝した。
恵子と流星はすっかり普通の祖母と孫のようになっていた。
流星は物怖じしない子なので、恵子はすっかり流星のペースに巻き込まれてしまったらしい。
子供の純粋さは、あっという間に大人を変えてしまう力があるのだなと優羽は改めて思った。
町外れの保育園への挨拶を済ませると、次に職安へ行った。
先日申し込みをしていた会社は、既にもう採用が決まってしまったと言われがっくりと肩を落とす。
他に目ぼしい職場がないか職安の職員も一緒になって探してくれたが、
小さな子供を抱えたシングルマザーを雇おうという会社はなかなかない。
仕方なくまた来ますと伝えてから優羽は職安を後にし、市役所での用事を済ませると最後に大型スーパーへ寄った。
以前兄が言っていたスーパー内の掲示板を見てみようと思い、優羽は掲示板へ向かう。
するとそこにはスーパー内のスタッフ募集から、外部の会社での求人等も貼られている。
職安よりもいっぱいあるかもしれない…そう思った優羽は、端から一つずつ見て行った。
すると、その中で一枚のチラシに目が留まる。
【『山神山荘』での住み込みのスタッフを募集しています。登山客が多く泊まるロッジです。季節営業ではなく一年を通してオープンしています。温泉に入り放題! シングルマザーも大歓迎! 一番近い保育園までは車で五分。小学校までは十分です。送迎にはロッジの車をお貸しします。長く勤めて下さる方を希望】
優羽はその求人が気になった。
なぜならその山荘から近いという保育園は、優羽が先ほど挨拶に行った保育園だった。
その時優羽は何か運命のようなものを感じる。
とりあえず優羽は近くにあったベンチに座り、一度深呼吸をしてからそのチラシの電話番号に電話をかけてみた。
すると三度の呼び出し音の後に電話が繋がった。
「はい、山神山荘です」
声は年配の男性だった。
優羽は緊張で少し上ずった声で尋ねた。
「あの、お忙しいところをすみません。私、今、そちらの求人のチラシを見た者なのですが…」
それを聞いた男性はすぐにピンと来たようで、
「ああ、スーパーアルペンのチラシですね。目を留めていただきありがとうございます。もしよろしかったら、
一度こちらへ面接に来ていただけると助かるのですが」
「はい。是非! いつでしたらご都合がよろしいでしょうか?」
「こちらは早い方が助かります。急にスタッフが辞めてしまったもので、今日でも明日でも、なるべく早く来ていただけると
助かります」
男性は申し訳なさそうに言った。
「今日これから伺ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。場所はわかりますか? 県道をずっと来てもらえば道沿いに看板が出ているのですぐにわかると思いますが。
途中で迷ったらまた電話を下さい」
男性は優しくそう言ってくれた。
その優しさに元気づけられ、優羽は今から山荘を訪ねる事にした。
電話を切った後、優羽はすぐに車に戻ると山荘を目指してすぐに車をスタートさせた。
ハンドルを握る優羽の心臓はドキドキしていた。
それはこれから面接を受けるという緊張感もあったが、それ以外に期待や希望といったものも感じていた。
なぜか本能がそう知らせる。
車は先ほど挨拶に行った保育園を通り過ぎ、さらに奥へと進んで行く。
この辺りは市街地からはだいぶ離れており、川沿いの県道からは自然豊かな風景を楽しむ事が出来る。
しばらく進むと電力会社の発電所が見えてきた。
その先には温泉旅館や山荘が点在している。
この辺りは温泉が出るため、いくつかの宿が一年を通して営業していた。
優羽はここから先にはあまり行った事がなかったが、道は一本道なので迷う事はなかった。
しばらく進んで行くと、左手に『山神山荘』という看板が見えてきた。
看板の横の入口を入ると広い駐車場があり、その奥に山荘はあった。
優羽は『山神山荘』を小さな山小屋だと思っていたが、その予想は見事に外れた。
山荘は想像以上に立派だった。
建物はログハウス風の二階建てで、山荘の裏手には山、そして脇には川が流れている。
清流の水音が耳に心地良い。
川に面した部分にはウッドデッキがあり、ウッドデッキの入口には『cafe』と書いた看板があった。
この宿は小さなカフェも併設しているようだ。
山荘の裏山の木はほとんどが落葉樹なので、秋には見事な紅葉が見られそうだ。
優羽は自然豊かなその環境を一目で気に入った
そして優羽は車から降りると、少し緊張しながら山荘の入口へと向かった。