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高校一年・Rさん
友達に何かお願いした時に、断られるのがすごく嫌です。
例えば、一緒に帰ろうって誘って、予定があるって断られたり。
別の日に遊ぼうって言って、無理って言われたり。
その瞬間は普通に「そっか、また今度ね」って言えます。
でも、本当は結構ショックです。
なのに、友達に「残念だった?」って聞かれると、「別に。最初から期待してなかったし」って言ってしまいます。
本当は期待してました。
だから断られたら悲しいんです。
でも、「楽しみにしてた」って言ったら、断られたことを気にしてるみたいで恥ずかしくて。
それなら最初から期待してなかったことにした方が、傷つかない気がします。
でも最近、自分でも何を考えてるのか分からなくなってきました。
遥「本当は楽しみにしてたのに、『期待してない』ってことにするんだ」
R「はい」
蓮司「断られるのが嫌というより、期待してた自分を見られるのが嫌?」
R「……たぶん、そっちです」
日下部「期待してたって認めると、断られた時に傷ついたことも認めることになるから?」
R「はい。なんか、負けたみたいで」
遥「誰に?」
R「……分からないです」
蓮司「相手にじゃなくて、自分にじゃない?」
R「……」
蓮司「『楽しみにしてたのに断られた』って自分より、『別にどうでもよかった』って自分の方が格好つくと思ってる」
R「……そうかもしれません」
遥「でも、『どうでもよかった』ってことにすると、嬉しかった時の気持ちも小さくならない?」
R「……」
遥「一緒に帰れた時、本当は嬉しいんだろ?」
R「はい」
遥「遊べた時も?」
R「はい」
遥「じゃあ、断られた時だけ『最初からどうでもよかった』にするの、ちょっと変じゃない?」
R「……確かに」
蓮司「期待してない人って、そもそも断られてそんなに傷つかないからな」
R「……」
蓮司「Rは期待してる。ただ、期待してるってバレるのが嫌なんだろ」
R「はい」
日下部「じゃあ、『期待すること』自体が怖いのかもしれない」
R「どういうことですか?」
日下部「期待すると、相手の返事に自分の気持ちが左右されるから」
R「……」
日下部「『一緒に帰れたら嬉しい』って思っていたら、断られた時に悲しくなる。でも、『別にどうでもいい』と思っていれば、断られても平気なことにできる」
R「はい」
遥「自分の気持ちを先に小さくしておけば、相手に振り回されなくて済むんだ」
R「……それです。だから、期待しない方が楽なんです」
蓮司「楽だけど、ちょっともったいないな」
R「?」
蓮司「期待しないって決めると、断られた時のダメージは減る。でも、叶った時の嬉しさまで最初から低くなる」
R「……」
蓮司「どうせ無理だと思ってたことが叶っても、『別に』ってなるだろ」
R「なります」
遥「本当は嬉しいのに?」
R「……はい」
遥「じゃあ、守ってるのは傷つくことだけじゃないんだ」
R「……」
遥「嬉しいことまで、先に小さくしてる」
R「それは、嫌です」
日下部「でも、期待したら断られることもある」
R「……はい」
日下部「そこはなくせない。だから、『期待しない』じゃなくて、『期待しても、断られることはある』くらいにしておくのはどうかな」
#虐待
ruruha
49
#一次創作
ruruha
544
ruruha
732
R「……それでも傷つきます」
日下部「うん」
R「それなら意味なくないですか?」
日下部「傷つかないことが目的じゃないから」
R「……」
日下部「嬉しいと思えることまで捨てなくていい、ってこと」
R「……」
遥「俺、断られたら普通に嫌だと思う」
R「遥くんも?」
遥「うん。でも、断られたからって、『誘わなきゃよかった』まで戻らなくてもいいと思う」
R「……」
遥「誘いたかったから誘った。一緒に帰りたかったから誘った。それは、断られた後も本当だろ」
R「……はい」
蓮司「ここ、結構大事だと思う」
R「何が?」
蓮司「相手の答えで、自分の気持ちまで嘘にしなくていいってこと」
R「……」
蓮司「『一緒に帰りたかった』は本当。でも相手は無理だった。それだけ。『断られたから、最初から帰りたくなかった』にはならない」
R「……。私、いつもそれやってます」
遥「例えば?」
R「友達と遊ぶ約束をして、すごく楽しみにしてても、当日、相手の都合で中止になると『別に私もそんな楽しみじゃなかったし』って思います。家に帰ってから、普通に悲しくなって。でも、悲しんでる自分を見ると、『だから期待しなきゃよかった』って思って」
蓮司「自分で期待して、自分で期待するなって怒ってるわけか」
R「……そうです」
日下部「それだと、どっちに転んでも自分が苦しいな」
R「……」
日下部「期待した自分を責める。期待しなかったことにしても、本当の気持ちは消えない。だから、ずっと自分の気持ちと喧嘩することになる」
R「……じゃあ、どうしたらいいんですか?」
遥「期待していいんじゃない?」
R「……怖いです」
遥「うん。怖いままでいいと思う」
R「え?」
遥「『絶対大丈夫』って思わなくてもいい。断られたら嫌だなって思いながら、それでも『一緒に帰れたら嬉しい』って思っていい」
R「……」
蓮司「期待って、成功の予約じゃないからな」
R「成功の予約?」
蓮司「『期待したんだから、叶えてください』って相手に請求するものじゃない。ただ、自分がこうだったら嬉しいって思ってるだけ」
R「……」
日下部「相手には相手の予定がある。だから断られることもある。でも、断られたからって、自分の『一緒に帰りたかった』まで間違いにはならない」
R「……それなら、期待してもいい気がします」
遥「うん」
R「でも、断られたら『悲しかった』って言ってもいいんですか?」
蓮司「誰に?」
R「友達に」
蓮司「言い方によるだろ。『一緒に帰りたかったから、ちょっと残念だった』くらいなら普通じゃない?」
R「……重くないですか?」
日下部「それだけで重いなら、友達同士で何も言えなくなる」
R「……」
遥「『別に』って嘘つくより、ずっと分かりやすいと思う」
R「……そっか。じゃあ、次に断られたら『そっか、残念。じゃあまた今度』って言ってみます」
蓮司「いいんじゃない」
R「『最初から期待してなかった』は?」
遥「言わなくていい」
R「……はい」
日下部「期待していたことを隠さなくても、自分の価値が下がるわけじゃないから」
R「……。なんか、今まで期待することって、弱いことだと思ってました」
遥「期待した分、傷つくことはある。でも、期待できたってことは、それだけ楽しみにできたってことでもある」
R「……」
蓮司「そこまで悪者にしなくていいだろ」
R「はい。次は、ちゃんと楽しみにしてみます」
🗝 三人からのことば
遥
「断られたからって、『最初から期待してなかった』ことにしなくていい。本当は楽しみにしていた。その気持ちは、断られた後も嘘にならない」
蓮司
「期待は成功の予約じゃない。叶わないこともある。でも、まだ起きてない失敗を避けるために、嬉しい可能性まで先に捨てる必要はない」
日下部
「期待したら傷つくことはある。それでも、期待すること自体が悪いわけじゃない。『嬉しかったらいいな』くらいの気持ちは、そのまま持っていていい」
コメント
1件
うわ、この話すごく分かる……。「期待してない」って言っとけば傷つかないって防衛、俺も心当たりありすぎてちょっとグサッときたわ(笑) でも蓮司の「期待は成功の予約じゃない」って言葉、めちゃくちゃ腑に落ちた。確かにそうだよな。期待=相手に何かを求めることじゃなくて、単に自分がそうなったら嬉しいなって思ってるだけでいいんだよな。 Rさんが最後に「次はちゃんと楽しみにしてみます」って言えたのが本当に良かった。傷つくのが怖いのは分かるけど、嬉しさまで先に削っちゃうの、確かにもったいないもんな。 こういう優しい気付きをくれる話、好きだわ。ruruhaさん、今回もありがとうございました!