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#幼なじみ
コメント
13件
少しずつ近づいていく距離感なんだ🤩 顔が瓜二つって事だけで気になっちゃうよ。 目で追いかけてしまう🤭
ラーメン🍜屋さんで遭遇しちゃうのいいなぁ(⁎˃ᴗ˂⁎)⤴︎⤴︎ 優人さんはなんだか七星ちゃんが気になる存在になってるんじゃない?顔は似てても性格はまるで違うのね🤭 七星ちゃんは四つん這いになって何か捜し物してる?( ˙꒳˙ )?? 優人さんは声を掛けるのかな!
偶然の出会いが重なってる七星ちゃんと優人先生✨ 外見が似過ぎてるのと、突飛な行動に目が離せない優人先生🤭 土手に何かあるのか、過去にそこで何かあったのか?〜?ウーン気になりますなぁ🤔🧐❣️
その日、新しい職場での初勤務を終えた優人は、病院の駐車場に停めてある外車のセダンに乗り込んだ。
この車は、美奈子の希望で選んだものだ。
二人が結婚する少し前に買い替えた車で、婚約時代から新婚時代にかけてのドライブや旅行の思い出が詰まっている。
美奈子が亡くなって三年。優人はまだ、この車を手放すことができずにいた。
湊総合病院は房総半島の先にある。
太平洋に面した穏やかな気候のこの場所は、自然は豊かだが人口密度は低い。そのため、東京とは違い賃貸物件もそう多くはない。
そこで、病院の会長でもある院長・野中の父が所有するマンションの一室を、優人は社宅として借りて住むことになった。
病院から社宅までは車で十五分ほど。
優人は車に乗り込むとアクセルを踏み、まだ段ボールが積まれたままの部屋へ向かった。
(腹が減ったな……何か食べて帰るか)
とはいえ、東京のように飲食店が溢れているわけではない。
それでも国道沿いにいくつか店があったのを思い出し、その中のラーメン店に寄ることにした。
ラーメン店の駐車場に車を停めて店に入ると、席は半分ほど埋まっていた。
優人はカウンターの隅に腰を下ろし、この店の定番である“肉そば”を注文した。
ラーメンが来るまでの間、なんとなく落ち着かず店内を見回す。
すると、奥の窓際のテーブル席に、七星が座っているのが目に入った。
(あ……)
七星は同年代の女友達と向かい合い、楽しそうにラーメンを食べていた。
優人は慌てて視線をそらし、カウンターへ向き直る。
ちょうどそのとき、熱々のラーメンが運ばれてきた。
「お待たせしましたー! 肉そばです!」
「ありがとうございます」
七星に気づかれないよう声を抑え、優人は背中を丸めるようにして食べ始めた。
一方、七星は友人の悩み相談に付き合っていた。
(今日は相談ごとばっかり……)
そう思いながらも、友人の話に耳を傾ける。
「でさぁ~、恵太ったら結婚式なんか適当でいいって言うんだよ。ひどくない? 一生に一度のことなのにさあ」
七星に訴えているのは、バイク屋の跡継ぎ、堀恵太の恋人・末永美紅だ。
彼女は半年後に恵太との結婚を控えている。
美紅は七星と同級生で、涼真とも仲が良く、四人は高校時代からの腐れ縁だ。
美紅の愚痴を聞きながら、七星は口を開く。
「美紅は高校生の頃からずっと、教会での結婚式に憧れてたもんね~」
「そうなの。ほら、あの頃ドラマで流行ってたじゃん。海辺の結婚式。せっかく海の近くに住んでるんだから、やらない手はないでしょ?」
「岬のホテルにチャペルあるもんね」
「そうそう。あそこがいいなって思ってるんだ」
「だったらはっきり言わなきゃだめだよ。思っていることはちゃんと口にしないと」
「それはそうだけど……」
「付き合ってたときは尻に敷いてたくせに、婚約した途端しおらしくなっちゃって……美紅らしくないよ。前みたいにガンガン言っちゃいな」
「うん……でもね、やっぱ言いにくいじゃん」
「どうして?」
「だってさ……プロポーズしてくれたときの恵太、すごくかっこよくてさ……惚れ直しちゃったんだもん。キャーッ!」
美紅が真っ赤になって顔を覆うのを見て、七星は呆れたように肩をすくめた。
「はいはい。ごちそうさま。のろけはまた今度ゆっくり聞くからさ」
そう言ってラーメンの汁を飲み干した七星は、テーブルの上に千円札を置き、バイクの鍵を手に立ち上がった。
「えーっ、もう帰るの?」
「うん。まだ明るいし、ちょっと寄るとこあるんだ」
「そっか。それなら仕方ないな」
「今度ファミレスでゆっくり聞くから。じゃあね!」
七星は笑顔で手を上げ、店の出口へと向かった。
七星が店を出たあと、優人もラーメンを食べ終えて席を立つ。
外に出ると、七星がバイクをふかして走り出す瞬間が目に入った。
その勇ましい後ろ姿を見つめながら、優人は心の中でつぶやく。
(ふっ……美奈子とはまるで正反対だな。外見はそっくりでも、中身は別人みたいだ)
そう思いながら車に乗り込んだ。
店の駐車場を出て少し走ると、先ほどの七星のバイクが道端に停まっているのが見えた。
(こんなところになぜ?)
気になった優人は、バイクの少し先で車を路肩に寄せ、ハザードをつけて停めた。
そしてもう一度七星のバイクを振り返る。しかし、彼女の姿はどこにも見当たらない。
(何かトラブルか?)
優人は車から降り、バイクのそばまで歩み寄った。
だが、やはり七星はいない。
よく見ると、道の脇は小高い土手になっており、その向こうは斜面で下へ降りられるようだ。
(土手の向こうにいるのか?)
優人は雑草の生えた土手を駆け上がり、斜面の下を覗き込んだ。
そして思わず声を上げる。
「あっ!」
そこには、土手の斜面で四つん這いになっている七星の姿があった。