テラーノベル
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アパートの屋上で月を眺めながら、楓子さんは…….いや、彼女はその凄惨な過去を私に語ってくれた。
「…….はじめて会った時、スマホで見た写真は本物の楓子さんだったんですね」
「……うん。携帯が壊れて写真のデータが見れなくなった時、また一つ楓子がいた証が世界から消えてしまったみたいで怖かった。
だから君に携帯のデータを復元してもらった時は本当に安心したんだ。私は君に救われたんだよ、天国美」
「あなたは大げさですねぇ」
私はくすりと笑った後、彼女の手を取った。
「あなたの話を聞いた今でも私の思いは変わりません。おねぇちゃんの呪いを解けるのは、あなただけだと思います」
彼女は申し訳なさそうに目を伏せる。
「…….私にその資格はないよ、私は主人を殺したドッペルゲンガーだ。血塗られた手で、どうやって人を愛せるというんだ」
「……あなたは、私達にいっぱい愛を与えてくれたじゃないですか」
「呪いのことでどうしたらいいか分からなかった私達を助けてくれた」
「おねぇちゃんに黒魔術を、負の感情のコントロールの仕方を教えてくれた」
「私の魔力が暴走した時、世界中を駆け回って魔法薬を作ってくれた」
息を吸い込んで、思いの丈を彼女に伝えた。
「私はあなたが大好きです。例えあなたが本物の楓子さんじゃなくても、主人殺しのドッペルゲンガーだとしても、変わらず大好きです」
「天国美…….」
「でも、私はあなたと同じぐらいおねぇちゃんのことが大切なんです。おねぇちゃんが世界から消えてしまうなんて絶対にいや。お願いです。おねぇちゃんと付き合ってください。おねぇちゃんを助けてあげてください」
彼女は、私をじっと見つめ、最初で最後のキスをした。
彼女の唇はとても冷たくて、少し紅茶の味がした。
「……分かった。地獄子ちゃんは絶対に、私が助けてみせる」
「…….はい」
胸がちくちくする。
これでいいんだ。これがおねぇちゃんと私の命を助けるたった一つの方法なんだ。
私は、何度もそう自分に言い聞かせた。
涙を拭った後、アパートの屋上から降り、私はおねぇちゃんが待つ部屋に戻った。
ドアを勢いよくバンと開ける。
「おかえり天国美、あれ?楓子さんも一緒なんだ?」
水色のパジャマ姿のおねぇちゃんが白いアイスキャンディー口に咥えながら私達を横目で見た。
「おねぇちゃん、ただいま帰りました!!
楓子さんと付き合ってください!!」
「…….はぁ?」
私の言葉に、おねぇちゃんは食べていたアイスキャンディーをポロッと口から落とした。
(タイムリミットまで後29日)
コメント
1件
ああああああもうっ!!!第26話、読み終わったあああ😭💔💔💔 楓子さん(ドッペルゲンガー)の過去が明かされてからの天国美ちゃんの告白シーン、胸がぎゅうぎゅうになるよ…!「あなたが大好きです」ってまっすぐ伝えるのに、最後は「おねぇちゃんと付き合ってください」って自分の気持ちを押し♡♡♡感じが切なすぎる😭💦 キスのシーン、冷たくて紅茶の味っていう描写がすごくドラマチックで…もう二人の未来がどうなるか気になって今夜眠れないレベル。タイムリミット残り29日…楓子さん、どうかおねぇちゃんを救ってあげてほしいよ…!次話待ってますっ🔥
トド村
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