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ぬいぬい
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慰麗梳(イリス)
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コメント
1件
うわ……これは読んでて息が詰まるような感覚になりました。視覚も手の自由も奪われた状態で、一貫性のない命令を強いられる——しかも「できて当然」という圧力。指示通り動いたのに「遅え」「速すぎ」と両方を否定されるところが、もうどうやっても正解がない地獄だって分からせる演出として効いてました。首が締まる直前までのカウント、怖かったです。この後の展開が気になります……。
放課後。
教室の空気はまだ残っている。
完全には人がいなくならない時間。
「来い」
短く呼ばれる。
廊下。
そのまま、空き教室。
扉が閉まる音。
逃げ場が消える。
「立て」
中央。
机が端に寄せられている。
広い。
でも、何もない。
「動くな」
言われる。
止まる。
そのまま、後ろに回られる。
腕を取られる。
反射で引く。
その瞬間、
「抵抗すんな」
低い声。
力が強くなる。
背中に押し付けられる。
手首をまとめられる。
何かが巻かれる。
きつい。
一気に締まる。
引いても、動かない。
結ばれる。
完全に。
「いい?」
軽い声。
目の前に来る。
布。
押し当てられる。
視界が消える。
暗い。
「外すなよ」
低く言われる。
後ろで、さらに縛り直される。
動けない。
手も、視界も。
一瞬、静かになる。
音だけが残る。
足音。
服の擦れる音。
距離が分からない。
どこにいるかも分からない。
「じゃあさ」
声。
どこからか分からない。
「ゲームな」
軽い。
でも、近い気がする。
「簡単」
続く。
「指示通り動け」
それだけ。
それだけなのに、
何も見えない。
何も触れない。
「右」
言われる。
体を動かす。
どれくらい右か分からない。
一歩。
その瞬間、横から衝撃。
肩に当たる。
強い。
体が揺れる。
「遅え」
低い声。
「ちゃんとやれよ」
「左」
すぐ来る。
戻る。
今度は速く。
その瞬間、腹に衝撃。
息が抜ける。
「速すぎ」
笑い。
どっちも違う。
「止まれ」
言われる。
止まる。
一瞬の間。
「なんで止まってんの?」
別の声。
詰められる。
動く。
「動くなって言ったよな?」
すぐ来る。
頭が追いつかない。
「しゃがめ」
言われる。
しゃがむ。
バランスが不安定。
手が使えない。
支えられない。
そのまま、背中に衝撃。
蹴られる。
前に崩れる。
膝が床に当たる。
痛い。
「雑」
言われる。
「立て」
すぐ来る。
立つ。
ふらつく。
その瞬間、足を払われる。
転ぶ。
体が床にぶつかる。
鈍い音。
息が詰まる。
「遅えって」
笑い。
「なあ」
近い声。
「できるって言ったよな?」
言っていない。
でも、そういうことになる。
「……分からない」
口に出る。
それしかない。
その瞬間、腹に一発。
強い。
息が完全に抜ける。
声が出ない。
「分からないで済ますなよ」
低い声。
近い。
距離が分からない。
でも、近い。
怖い。
「前」
言われる。
歩く。
一歩。
二歩。
三歩。
その瞬間、何かにぶつかる。
机。
体が当たる。
音が鳴る。
「何してんの?」
低く来る。
「見えてねえの?」
笑い。
見えていない。
分かっているはずなのに。
でも、それも違反になる。
「戻れ」
言われる。
振り向く。
方向が分からない。
一歩。
その瞬間、後ろから蹴られる。
倒れる。
顔が床に近づく。
「逆だろ」
言われる。
どっちも分からない。
呼吸が浅くなる。
空気がうまく入らない。
でも、止まらない。
止まれない。
「なあ」
最後に声。
すぐ近く。
「なんでできねえの?」
同じ問い。
でも、もう違う。
見えない。
動けない。
判断できない。
できる条件が、最初からない。
でも、それは理由にならない。
「……無理」
出る。
小さく。
でも、確かに。
その瞬間、首に圧。
締まる。
一気に。
息が止まる。
「無理?」
低く繰り返される。
力が強くなる。
視界は元からない。
でも、さらに暗くなる。
音が遠くなる。
手が動く。
縛られている。
何もできない。
数秒。
長い。
限界に近づく。
その直前で、手が離れる。
空気が一気に入る。
咳が出る。
止められる。
「うるせえ」
押さえられる。
「ほら」
誰かが笑う。
「まだできるだろ」
軽い声。
でも、命令。
また、声が来る。
「右」
「左」
「止まれ」
「動け」
全部同時。
全部違反。
全部、逃げ場がない。
遥は立たされている。
見えないまま。
縛られたまま。
何もできないまま。
それでも、命令は来る。
従えなければ、壊される。
それだけが、繰り返される。