テラーノベル
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ロケットになった小守の中に入り一直線に月へと向かう。
重力から解放され、身体が宙を舞う。
宇宙でも呼吸が出来るのは、きっと魔法のおかげだろう。
「地獄子、魔力送れ!!スピード上げるぞ!!」
「うん!!」
壁に手を当てて、小守に魔力を流し込む。
「よっしゃああああああ!!!!」
小守のロケットから大きなコウモリの翼が生え、とてつもない勢いで月へと向かった。
◆◇◆
私達は月に着陸した。
小守がJKの姿に戻る。
……勢いで来てしまったけど大丈夫だろうか?
楓子さんでも勝てなかった呪いの魔女に私達だけで勝てるのか?
私が不安そうな顔をすると、小守が私の手をぎゅっと握った。
「心配すんな、オレがお前の翼になってやる」
「うん」
私は小守の手を強く握り返した。
突然、地面から四体の百足が現れる。
「やっと来たのねぇ。待ちくたびれちゃったわ」
空間が歪み、舎蘭が現れる。
「…..ママの仇!!」
舎蘭を見て小守の目が血走る。
私は箒を召喚してまたがった。
「……妹を返してもらいます」
私は箒を握りしめ、舎蘭を見据えた。
「さぁ、試練をはじめましょう」
そういうと舎蘭の背中の翼が四つになり、
目が六つの異形の姿へと変貌する。
彼女の肌が青色になり、顔の辺りに鬼のような角が生えた。
舎蘭が私達に向けて手をかざす。
「いきなさい、我が下僕達よ」
すると四匹の巨大ムカデ達がその巨体をうねらせながら私達に襲いかかった。
「地獄子、血ぃ借りるぞ」
私の背に抱きつき小守が私の首筋に牙を突き立てる。
小守が巨大な蝙蝠の翼をはためかせた。
「ばっびゅーーーーん!!」
巨大百足達の合間を縫うように箒で低空飛行する。
巨大百足達が執拗に私達を追う。
「小守」
「なんだよ!!」
「そのまま舎蘭に突っ込んで」
「なんか策あんのかよ」
「うん、うまくいくかわかんないけど……」
「こうなりゃ一か八かだ!!しっかり捕まってろよ!!」
小守が翼をはためかせ、更に加速する。
舎蘭の周りに夥しい数の魔方陣が発生する。
魔方陣から一斉に魔力が放出された。
「避けろ!!地獄子!!」
「うん……!!」
身を翻しながら弾幕を潜り抜ける。
舎蘭のビームが小守の右の翼に当たり、翼が貫かれる。
「小守!!」
「構うな!!いけぇ!!」
弾幕を潜り抜け、私はとうとう舎蘭に近付いた。
舎蘭の頭の上に浮かんでいる、天使の輪のように丸くなった百足に触れた。
思い出すのは、プライベートビーチでのこと。楓子さんをうっかり爆散させたあの事件。
舎蘭の本体である百足に触れ、ありったけの魔力を注ぎ込む。
「……爆発しなさい!!」
百足が紫色に光り、木っ端微塵になった。
舎蘭の身体から黒い煙が出て、みるみる内に元の姿に戻っていく。
ばらばらになった百足から、舎蘭の声がする。
「おめでとう。これで貴女達の想いの強さは証明されたわ。後はお互いの気持ちに向き合うだけ。貴女達は、すでに答えを持っている」
そう言い残し百足は消滅してしまった。
◆◇◆
「天国美、天国美!!返事をして!!」
元の姿に戻った天国美に声をかける。
ふと、天国美が目を開けた。
「おねぇ……ちゃん、小守…….」
「よかった。目を覚ましたのね」
「全く心配かけてんじゃねーぞ!!」
小守が泣きながら笑う。
「おねぇちゃん、楓子さん、私が殺しちゃいました」
天国美の目に涙が溜まる。
「何言ってるの。あんたのせいじゃないわよ。あんたは舎蘭さんに操られてただけじゃない」
「違うんです。私が舎蘭さんにお願いしたんです。おねぇちゃんを助けてくださいって。そのせいで舎蘭さんは私を乗っ取ったんです……!!」
天国美は顔を覆い泣きじゃくる。
「……おねぇちゃん。タイムリミットまであと何日ですか?」
「え?」
そういえば数えていなかった。
「えっ、でも…….まだ14日なんじゃないの?」
すると小守が私のスカートを捲って呪いの刻印を確認する。
「あと1日しかない……」
「嘘!?」
月に向かうまでに13日かかったってこと!?
「もう時間ないじゃん!?どどどどーしよう小守!?」
「オレに聞くなよ!?」
慌てる私達を見て、天国美が立ち上がった。
「まだ方法はあります」
「へ?」
「忘れたんですかおねぇちゃん。この呪いは私を殺せば解けるんです。……私が生きようとなんかしたから楓子さんが死んだんです。偽物の私が、皆と一緒に生きようとしまのがそもそもの間違いだったんです」
天国美が翼を広げながら困ったように笑った。
「さよならおねぇちゃん。おねぇちゃんはどうかおばあちゃんになるまで生きてください」
天国美はそう言って翼を広げて宇宙まで飛び立った。
「くそっ、あいつ何でここまで悪い方向に思い切りがいいんだよ!!?」
小守が天国美に悪態をつく。
私は箒に股がった。
「追いかけるんだな?地獄子」
「当然でしょ」
「偽物なんかじゃない。あの子は私の妹なんだから」
私達は箒に乗って天国美を追いかけた。
コメント
1件
うわっ、第46話めっちゃ熱かった!!小守の「オレがお前の翼になってやる」って台詞、ガチで痺れたわ。バトルシーンもスピード感あって、特に「ばっびゅーーーーん!!」で翼広げて突っ込むとこ最高だった。んで、終盤の天国美の自己犠牲の覚悟には泣きそうになったよ…。でも地獄子が「偽物なんかじゃない。あの子は私の妹なんだから」って追いかけるとこで、もう応援したくなった!次どうなるか気になりすぎる🔥