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#一次創作
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#相談部屋
放課後。
相談者は椅子に座ったまま、膝の上で手を組んでいる。
「俺、人から誘われた時に断れないんです」
遥は相談者を見る。
「断るのが怖い?」
「それもあるけど」
少し間を置く。
「断った後が嫌なんです」
「何が」
「相手がどう思ったかなって。嫌われたかなとか。感じ悪かったかなとか」
視線が落ちる。
「一回断っただけなのに、その日の夜までずっと考えてます」
教室が静まる。
「この前も」
相談者は続ける。
「友達に遊びに誘われたんですけど、その日は家で休みたくて。だから断りました。普通に『また今度な』って返してくれたんですけど」
一拍。
「俺はその後、ずっと申し訳なくて」
遥は少し考える。
「断る時、何て言った」
「『ごめん、今日は無理』って」
「それだけ?」
「はい」
「相手は怒った?」
「怒ってないです」
「嫌そうだった?」
「……たぶん、普通でした」
遥は頷く。
「じゃあ」
少し間。
「罪悪感は、相手から来たものじゃないな」
相談者は黙る。
「自分で作ってる」
「……そうですね」
小さく答える。
「でも」
相談者は顔を上げる。
「断ったら、相手を傷つけるじゃないですか」
遥は少し考えた。
「断られたら傷つくことはある。でも」
一拍。
「傷つくことと、悪いことをされたことは違う」
教室が静まる。
「自分が嫌なことを断る。それだけで相手を大切にしてないことにはならない」
相談者は黙っている。
「俺」
少し笑う。
「誘ってくれたことまで否定したみたいに感じてました。誘いを断っただけなのに」
遥は頷く。
「そこを分けた方がいい。誘ってくれたことは嬉しい。でも今日は行けない」
一拍。
「両方あっていい」
相談者はゆっくり息を吐く。
「それなら、次から少し言えそうです」
遥は鞄を肩にかける。
「断ることは」
少し間。
「関係を切ることじゃない」
教室には夕方の静けさが残っていた。
断っただけなのに、相手を傷つけた気がして、何度も自分を責めてしまう。
でも、相手の誘いを断ることと、相手そのものを拒絶することは違う。
自分の都合や気持ちを伝えることも、人との関係を続けるために必要なことなのかもしれない。
コメント
1件
うわあ…めっちゃわかるなこれ。断るたびに「あの時ああ言えばよかったかな」って夜まで引きずるの、めっちゃ共感した。遥の「傷つくことと悪いことをされたことは違う」って言葉、すごく優しくて、でも鋭くて。自分を責めるクセがある人には刺さる相談回だと思う。ruruhaさんの描く心理描写、静かで深いのが本当に好き。次も読みます🌙