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#一次創作
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#相談部屋
📩相談
高校二年生・仮名:Sさん
私は、人から注意されるのがすごく苦手です。
例えば、提出物を出すのが遅れて、「次からは期限を守ってね」と言われただけでも、その一言がずっと頭に残ります。
「自分はちゃんとできない」
「また迷惑をかけた」
「こういうところがあるから駄目なんだ」
と考えてしまいます。
注意されたのは提出物のことだけなのに、その日の夜には、「自分って何をやっても駄目なんだ」というところまで考えてしまいます。
逆に、「ここだけ直せば大丈夫」と言われても、「じゃあ、直せていない今の私は駄目ってこと?」と思ってしまいます。
注意された部分だけを直せばいいのに、自分自身を嫌いになってしまいます。
遥
「……一個注意されただけなのに、全部に広がるんだ。提出物が遅れた。だから時間管理が苦手。時間管理が苦手だから、何をやっても駄目。何をやっても駄目だから……って」
蓮司
「最終的に人生全体の反省会になる」
遥
「そう。しかも、誰もそこまで言ってない」
蓮司
「本人だけが勝手に話を広げてる」
遥
「……分かってる。でも、一回『駄目』って思うと止まらない」
日下部
「Sさんは、注意を『行動への指摘』として受け取るより、『自分自身への評価』として受け取っているのかもしれない」
遥
「『提出物が遅れた』じゃなくて。『提出物も出せない人間だ』になる」
日下部
「そう」
蓮司
「じゃあ逆に。褒められたら、全部自分が優秀になった気がする?」
遥
「……それはならない。一個褒められても、『でもここは駄目だった』って探す」
蓮司
「都合の悪い時だけ、全体評価になるわけか」
遥
「……。痛いけど、そうかも」
日下部
「Sさん。注意された時に、『自分が否定された』と感じることと。実際に自分自身が否定されたことは、分けて考えていい」
遥
「でも、頭では分かってても無理じゃない?」
日下部
「だから、最初から気持ちを変えようとしなくていい。まず、何を注意されたのかを一つだけ言葉にする」
遥
「『提出物が二日遅れた』」
日下部
「そう。そこから先の『だから自分は駄目だ』は、別の話だ」
蓮司
「むしろ、そこから先は勝手な追加情報だな」
遥
「追加情報?」
蓮司
「先生が言ってないこと。『お前は何をやっても駄目』なんて言われてないだろ」
遥
「……言われてない」
蓮司
「じゃあ、それは先生の評価じゃなくて、自分の評価だ。そこをごっちゃにするな」
遥
「……。自分で自分に、余計なこと言ってたんだ」
日下部
「注意そのものより、その後に自分へ何を言っているかを見るといい。『次は期限を守ろう』で終わるのか。それとも、『自分は駄目だ』まで続けるのか」
遥
「同じ注意でも、そこで違うんだな」
日下部
「そう。反省は、次の行動を変えるために使える。自己否定は、過去の自分を罰するだけになりやすい」
蓮司
「しかも罰したところで、提出物は早く出せない」
遥
「……それは本当にそう。Sさん。注意されたら、反省するのはいい。でも。『ここを直そう』の次に、『だから俺は駄目だ』まで付け足さなくていい。一個の失敗を、一人分の価値にまで広げなくていいと思う」
🗝 三人からのことば
遥
「『ここが駄目だった』と『自分は駄目だ』は違う。注意された一部分まで、自分全部に広げなくていい」
蓮司
「相手が言ってないことまで、自分で勝手に追加して落ち込むな。『お前は駄目だ』なんて言われてないなら、まずそこは分けろ」
日下部
「反省は、次にどうするかを考えるためのもの。自分を責め続けることまで、反省に含めなくていい」
コメント
1件
このエピソード、「注意=全部否定」の感覚、すごく分かります。日下部さんの「注意そのものより、その後自分に何を言っているかを見る」という視点、構造として本当に的確だなと。一個の失敗を一個のまま終わらせず、自分で勝手に拡大してしまうメカニズムを、会話で丁寧に紐解いてるのが良かったです。特に蓮司の「先生が言ってないこと」という切り返しが痛快でした。