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いじめのはずがプロポーズでした

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いじめのはずがプロポーズでした

19 - 第19話 隣人トラブルは笑顔付き

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2025年09月01日

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席替えで隣になった翌日。先生が配った山のようなプリントを、大地は不器用にばさばさと落とした。


「うわー! 俺の人生、紙に押し潰されるぅー!」


床一面に散乱するプリント。

クラスがざわつく中、隼人は呆れ顔でため息をついた。


「ドジかよ。……ほら、拾え」


「ありがと隼人! 俺、やっぱ隣がお前で助かるわ! 運命の隣だな!」


「誰がだ」


顔を赤くしながら、隼人はプリントを押しつける。

だが大地は全く気にせず、にっこり笑って言った。


「なぁ隼人、俺さ、こういうの全部お前と一緒にやるの楽しいんだよ」


「……は? ただのプリントだぞ」


「そう! でも隣にいるのが隼人だから楽しいんだって!」


(……やめろ、その真顔。マジで心臓に悪い)


隼人はそっぽを向きながら、耳まで赤くなっていた。




昼休み。

今度は大地がまた机をひっくり返しそうになり、隼人が支える羽目になる。


「おーっとっと! あっぶねー! 俺今、隼人のヒーロー体験のためにわざとだぞ!」


「わざとじゃねぇだろ! ただのバカだ!」


「でも俺を助けられたんだから結果オーライだろ?」


クラスメイトたちは「また始まった」と笑うが、隼人だけは笑いを堪えるように唇を噛んでいた。


(……ほんと、なんで俺にだけこんな無敵なんだよ)




放課後。

黒板に残ったチョークの粉を、ふいに大地が両手ですくい、隼人に向かってふっと吹いた。


「ほら、今日のラッキーパウダー! 幸せ倍増!」


「おい! 目に入っただろ!」


「それは“好きな人を見すぎて目が痛い”現象だな!」


「……」


「……」


クラス中が「キャー!」と爆笑&冷やかしモード。

隼人は顔を真っ赤にしながら、バシッと大地の頭を叩いた。


「バカ!」


「でも笑ったな? 俺のおかげで今日も楽しかったろ?」


「……っ、うるせぇ」


隼人の胸の奥に、また得体のしれない熱が広がっていった。


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