冷えた風が表面の温度を下げる。ふと上を見上げると、少し色あせた冬空が広がっていた。
空を見ると、思い出してしまう。
彼女と出会ったのは、高校の時だった。教室の窓からじっと空を眺めている彼女に私が声を掛け、次第に仲が深まっていった。
歩いているときでさえ、彼女は定期的に携帯を取り出して空の写真を撮っていた。そんな彼女に、何故そこまでこだわるのかを一度聞いたことがある。
「好きなんだ。空。雲の形とか、空の青さとか、同じように見えて毎日違うでしょ?」
彼女は笑って答えた。綺麗な人だと思った。
寂しい空間に、一つの足音が聞こえる
「今年も来たよ。こんな寒い中居続ける君も可哀想だね。」
「来てる途中の路地で懐かしいのを見たから……ついでに買ってきてあげたよ。」
「……だから、いつか空を飛んだ感想教えてね。」
そう言って、彼女は立ち上がった。
私が好きだった、シャボン玉の容器を置いて。
コメント
7件
うわうわうわうわうわうわ絶対関係ないけど1話?1番最初もシャボン玉とか相手が綺麗とか言ってたから勝手に頭の中で1話の後的な!?て思いました😉 そうであってもそうでなくてもなんか好きの核心ついてくるのなんなんですか大好きです
お墓…ですかねえ………、シャボン玉…空を飛ぶ………この字面だけでもう最早エモいです。エモーショナルを感じます(うん?) 冬はシャボン玉が割れにくいそうですね。
遅れてすみません!本来の今日の分は時間がありましたら投稿します。