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19話 1900スポット 学校行事が多すぎる
校庭に、
色の違う線が引かれている。
細く、
短く、
必要な分だけ。
リカは、
列に並ぶ。
長めの上着。
袖は手の甲まで。
動きやすい靴。
腰元で、
電子マネーのキーホルダーが
小さく鳴る。
前にも後ろにも、
人がいる。
数を数える気は、
最初からない。
号令は短い。
説明も短い。
拍手は一回。
次へ。
移動。
整列。
確認。
全部が早い。
隣の席の子は、
髪を軽く結び、
体操服の上着を
きちんと着ている。
動きは落ち着いている。
「もう終わり?」
小さな声。
リカは、
肩をすくめる。
「次あるよ」
すぐに、
次の行事。
場所が変わる。
並び直す。
また説明。
道具は少ない。
準備も少ない。
それでも、
声は出る。
笑う人。
走る人。
拍手を忘れる人。
昼。
机を寄せる時間も、
決まっている。
包みを開く音が、
一斉にする。
リカは、
自分の弁当を開ける。
長く話さない。
でも、
一人じゃない。
午後も、
行事が続く。
終わりの合図は、
あっさりしている。
片付けも早い。
帰りの準備。
教室を出ると、
足が軽い。
疲れているはずなのに、
気分は悪くない。
キーホルダーを握る。
今日は、
特別なことは
何もなかった。
行事は多く、
一つ一つは短い。
それでも、
楽しかった。
それで、
十分だと思えた。
校門を出る。
人は多いまま。
でも、
帰り道は
ちゃんと見えている。
リカは、
その流れに乗って
歩き出した。
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