テラーノベル
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――2026年7月21日 午後六時三十二分
**■■県童ノ宮市湯山町南古小橋■■―■■**
**稚児啼川 中腹付近**
「……はい、栗原です」
「あっ、ミサキ? アタシよ、アタシ。――何度か連絡したんだけど? やーっと通じたわね?」
「申し訳ないです。なかなかタイミングが合わなくて……」
「それで、どう? マキオちゃんの様子は? 満喫してる?」
「……そうですね。こういう街ぐるみのお祭りを目の当たりにするっていうのは、なかなかないことですからはしゃいじゃって」
「ふうん。だったらよかったんだけど。……それで? あんたのほうはどうなの?」
「えっ? わ、私ですか? 私は……」
「ひょっとして、居心地悪い?」
「え、ええっと……」
「いいのよ、私の故郷だからって遠慮しなくても。……私だって、高校生ぐらいまでは苦手だったんだから」
「そ、そうなんですね。……てっきり岡崎社長は地元ラブな人かと」
「童ノ宮は独特な空気感のある土地だものね。良くも悪くも」
「え、ええ。ちょっと私には濃すぎるかも……」
「いいこと、ミサキ。あんたが神さま嫌いなのは分かってる。だけど、同時に世の中、クズだけじゃないってことも分かってるでしょ?」
「社長、私はそんな――」
「童ノ宮は人も神様も、あんた達親子の味方をしてくれるはずよ。だから、そんなに怖がらなくていいの」
「……」
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