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「さあ、今日はご飯の時間だぞ」
男子の声に、遥は小さく肩を震わせた。教室の端に敷かれたビニールシートの上、皿がいくつか並べられている。女子たちは顔に笑みを浮かべ、男子たちは首輪を軽く引きながら嗤う。
「ほら、犬だろ、ちゃんと手をついて皿まで行け」
「犬みたいに頭下げろ、早く!」
遥は息を整え、床に手をつく。裸足の冷たさが足先から体中に響き、膝をついたまま皿に近づく。羞恥で顔が熱くなるが、嗤い声にかき消され、誰も気にしない。
「ゆっくり味わえよ、犬みたいに」
「おい、こぼすなよ。ほら、こぼしたら叩くぞ」
皿の上の物を拾うように指示され、遥は必死に手で掬い、口元に運ぶ。小さな声が漏れるが、すぐに男子の笑い声でかき消される。
「もうちょっと前に出ろ、床に顔近づけろ」
「そうそう、犬らしく食べろ!」
女子が髪を弄りながら指示を出す。肩を軽く押されたり、手首をつかまれたりするたび、遥の心臓が跳ねる。羞恥と恐怖、屈辱が混ざり合い、息が荒くなる。
「こぼしたら俺の膝に顔をつけろ」
「わかったか、犬!」
「……うっ……」
小さく、かすかな声が漏れる。嗤い声の中で、遥の存在は完全に玩具と化していた。誰も助けず、誰も気にせず、ただ見物して嗤うだけ。
「はい、次はこっちだ」
「犬、走れ!回れ!」
指示に従い、四つん這いのまま床を回る。裸足の床は冷たく、膝や手のひらの痛みがじわじわと響く。首輪の締め付けが頸を刺し、嗤い声が絶え間なく追い打ちをかける。
「疲れたか?でもまだ終わりじゃないぞ」
「もっと低く頭を下げろ、ほら!」
遥は顔を伏せる。心の中では「弱い自分、嫌だ」と思うが、声に出せない。動かなければ、もっと酷い嘲笑が待っている。羞恥、痛み、屈辱――すべてが絡み合い、教室全体が遥を追い詰める。
「おい、吠えろ!」
「ほら、声出せ、犬だろ!」
「……わん……」
小さな声。嗤い声にかき消され、しかし教室の圧力はさらに増す。裸、首輪、四つん這いの自分を晒すしかない。
餌の皿を片付けられた後も、男子たちは「待て」と命じる。女子たちは笑いながら髪を弄り、肩を押す。遥は膝を床につけ、必死に指示に従う。屈辱感、羞恥心、痛み――すべてが絡み合い、逃げ場はない。教室全体が一つの玩具箱となり、遥はその中心で晒され続ける。
嗤い声、拍手、囁き、指示……全てが複雑に絡み合い、心理的圧迫を増幅させる。四つん這いのまま、裸足の感覚と首輪の締め付けを感じながら、遥は自己嫌悪に押し潰されそうになり、しかし動かざるを得ない。痛々しく、羞恥と恐怖が絡み合ったまま、教室という舞台の中心で晒され続ける。