連れてこられたのはキッチンの奥の戸棚だった。
〇〇)ここがどうしたんですか?
岩本)ここ開けてみて。
岩本さんが指差したのは1番端っこにある大きめの棚だった。
〇〇)ここですか?
不思議に思いながら渋々戸棚に手をかける。
〇〇)こんなとこに何もないですよー
ところがそこにあるのは海苔や缶詰などの調味料ではなかった。
代わりに薄暗いコンクリートで覆われた細い階段が続いていた。
〇〇)何ですか?これ、
深澤)ん〜、良いから良いから。ここ進んで?
階段に一歩足を踏み出すとひんやりとした空気が足元を伝ってきた。
暗くて先がよく見えない。
〇〇)シェルター的なことですか?
宮舘)まぁ、そんな感じかな。
隣を歩いていた宮舘さんが口を開く。
2人の声が空間にこだました。
しばらく進むと重々しい扉が暗闇に姿を現した。
よく見ると赤いものがキラキラと反射している。
〇〇)ここで人を殺してますか?
阿部)あー、ちょぉっとだけね?
〇〇)…そうですか。
ギィーっと音がして扉が開いた。中には信じられない光景が広がっていた。
〇〇)わっ、なにこれ…、
そこにはものすごい数のモニター、パソコン、スピーカー…。足元にはケーブルが蔓延っている。
佐久間)びっくりしたでしょ?笑
佐久間)ここが俺らのcommand center。
向井)発音良!笑
目黒)いつもここで監視したり司令出したりしてる。
目黒さんの顔がパソコンの光で青白く輝く。
目黒)〇〇のとこもこういうのあった?
〇〇)ありました。使い方もわかります。
目黒)ん。じゃあいざとなったらここから司令を出してほしい。
〇〇)分かりました。
佐久間)でね、でね、〇〇ちゃんに見せたいのはこっちなんだぁー!
佐久間さんが指さしたのは奥にある灰色の扉。
佐久間)着いてきてー!
佐久間さんが私の腕をぐいっと引っ張る。
佐久間)わ、ちょっと早いですよ!
佐久間さんは私の声が聞こえていないかのようにドアを開け中を覗き込んだ。
佐久間)あー…、ちょっと待ってて?
佐久間さんは1人で部屋に入っていきしばらくしてから出てきた。
佐久間)ごめん、ごめん。ちょっと散らかってたから。さ、どうぞどうぞ。
背中を押されて中に入るとそこは天井の高いコンクリート造りの部屋で一面に棚が並んでいた。
よく見ると棚にはいろんな武器が敷き詰められている。
〇〇)ナイフにレーザー銃にショットガン…。すご…、
佐久間)好きなの取ってっても良いよ。
レアなものや高価な物まで全部揃っている。私が使い古しているボロボロのものとは大違いだ。
これ全部買うのにいくらするんだろ、とぼんやり考えていると足元に何かが当たって転びそうになった。
下を向くと人の手が切断された状態で転がっていた。
〇〇)手…?
阿部)あぁー、ごめんごめん!佐久間片付け忘れてんじゃん。ごめんねお見苦しいもの見せちゃって。
阿部さんがスマホを取り出し写真を撮ってセンター転送する。同時に手も消えた。
センターは死体を処理してくれるところだ。写真を送ればすぐに死体も送られる。死体はそこで燃やされて跡形も残らない。
佐久間)〇〇ちゃーん!こっちに良いものがあるよ!来てー!
阿部)もー、佐久間は相変わらずうるさいなー、
佐久間さんのところに行くと手にしていたのは最新のエアボードだった。とても高いもので数千万はする。
佐久間)これ〇〇ちゃんにあげる。
〇〇)え、良いですよ。こんな高いもの。
佐久間)いいよ。〇〇ちゃんのやつ今ボロボロでしょ?
エアボードはこの世界で開発されたいわば宙を浮くスケボーのようなものだ。とても便利で移動などによく使う。
ただ操縦が難しいので乗りこなせる人はあまりいない。
〇〇)でも…、
佐久間)〇〇ちゃんはSnow Manの一員なんだから受け取って?
佐久間さんに差し出され恐る恐る受け取る。エアボードは意外と軽く、水色の光を放っていた。
〇〇)ありがとうございます…!
佐久間)素直になってえらい!
そう言って佐久間さんはぐしゃぐしゃと頭を掻き回した。
〇〇)ちょ…、佐久間さん!髪の毛ぐしゃぐしゃになっちゃうじゃないですか!
佐久間)その割に〇〇ちゃん顔赤いけど?
〇〇)え?嘘⁉︎//
深澤)おい、そこ2人イチャイチャしない!全部案内できた?
佐久間)忘れてた!ちょっと待って、すぐ戻るから!〇〇ちゃん。行こ。
佐久間さんについていくと武器庫の奥にはボウリング場のような空間があって奥の方に的が置いてあった。
佐久間)見ればわかると思うけどここ射的場ね。ジムとかもあるしここでトレーニングすると良いよ。
〇〇ちゃん試しにやってみる?
〇〇)良いんですか?
私は1番近くのレーンに立ち置いてあった練習用の銃を構えた。
ガァンッ!
引き金を引くと同時に鋭い音がして的の真ん中に穴が空いた。
佐久間)わ…、さすが…!
佐久間さんが感心したように手を叩いた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
コマンドルームに戻るともうみんな揃っていて忙しそうにパソコンを操作していた。
深澤)戻ったー?
佐久間)なんかあったの?
深澤)ちょっと敵が動いた。
佐久間)まじか。ちょっと見せて。
モニターには会議室のような場所と数人の男たちが写っていた。
渡辺)奴らは全員殺し屋だ。今日ここの会社に社長を殺すらしい。
佐久間)依頼は?
岩本)驚いたことに社長の娘らしい。
佐久間)え?娘?
深澤)理由はわかんないけど何か恨みがあるらしい。
深澤)でも、これとったら高くつきそうだな。
佐久間)確かに。俺欲しいもんあったんだよね!
岩本)よし。では直ちに出発する。この部屋に残るのは宮舘、ラウールだ。すぐに準備に入れ。
ラウール、宮舘)はい。
それ以外は出動だ。護衛部隊は向井、阿部、目黒、佐久間。〇〇、渡辺、俺が突入部隊だ。
〇〇)私もですか?
岩本)腕試しってことで、〇〇の実力も見てみたいし。
〇〇)…分かりました。
岩本)目標は社長を殺すこと。そして敵を倒すこと。
ではすぐに準備に入れ。10分後正門集合。
end.
お知らせ。
これから投稿頻度を一週間に一回にしようと思います。どうしても学校が忙しくて頻繁にあげることができません。余裕がありそうだったら一週間に2回ほど投稿することもあると思います。
いつも楽しみ時してくださってる方ごめんなさい🙇
コメント
2件
大丈夫やで!yuiさんのペースでね!