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雨月
今、時代はパジャマパーティだと思うんだ！
雪那
わあ、素敵ですねー
晴陽
ごめん、ちょっと何言ってるかわからない
晴陽
（雨月と雪那が付き合い始めて数日）
晴陽
（結局、なんだかんだで私達は常に三人で行動している）
雨月
晴陽ちゃんとも雪那ちゃんともお泊りはしたことなかったでしょ？
雨月
だから今度の土日、二人ともうちに泊まりに来ないかなって
雪那
いいんですかー？
雪那
嬉しいですー！
晴陽
私も別にいいけどさ
晴陽
いいの？私がいて
晴陽
お邪魔じゃない？
雨月
そんなことないって！
晴陽
そう？
晴陽
（なんだか正直、複雑）
晴陽
（この二人が付き合い始めてから、ずっと胸がざわついてる）
晴陽
（これって、嫉妬なのかな…？）
晴陽
（本当、よくわかんない）
雨月
じゃ、決まりねー！
雨月
楽しみだなー！
雨月
えへへ
晴陽
（幸せそうな雨月…）
晴陽
（前は、こういう雨月を見るのが幸せだったのに）
晴陽
（今はなんだか、胸が痛い）
土曜日
雨月
ただいまー！
晴陽
おじゃましまーす
雪那
おじゃましますー
梓
ほーい、いらっしゃーい！
晴陽
（え、この朝からビール飲んでるのが雨月のお母さん？）
晴陽
（すごく美人なのもそうだけど、ちょっと驚いた）
雨月
あ、驚いた？
雨月
ごめんね、ママはいつもこうだから
雨月
お休みの日は誰が来てもお酒飲んでグウタラしてるの
雨月
でも、酔っぱらって暴れたりはしないから大丈夫だよ
雪那
それなら安心ですー
梓
あっはっは。ごめんねー
梓
ま、とりあえず上がって上がって
梓
お菓子用意してあるからさ
雪那
ありがとうございますー
晴陽
ありがとうございます
梓
へー、うちの子と付き合ってるんだー
雪那
はい、そうなんですー
雨月
私から告白したんだよ！
梓
そかそかー！
梓
それで、晴陽ちゃんはうちの子の親友なんだよね
晴陽
はい
晴陽
いつもお世話になってます
梓
もー、固いよー！
梓
酔っぱらい相手なんだから、もっと軽くていいって！
梓
ほら、チョコパイ食べて！
晴陽
あ、ありがとうございます…
晴陽
（テンションには圧倒されるけど、確かにすごく話しやすいな）
晴陽
（雨月のこともきちんと理解してるみたいだったし、いいお母さんなんだな）
夜
雨月
えへへへー、楽しいなー
晴陽
そうだね
雨月
こういうお泊り会って、実は初めてだったの
雪那
私もですー
晴陽
私も、こういうのは初めてね
雨月
そうなんだ、じゃあ私達が晴陽ちゃんの初体験だね！
晴陽
妙な言い方するな
雪那
でも、よかったです
雪那
お二人がこうして仲良くしてくれて…
晴陽
転校した直後は緊張するもんねー
雨月
これからもっともっと仲良くしていこうねー
雪那
はい、よろしくおねがいしますー
雨月
えへへ、うれしいなー
晴陽
（雨月が、雪那の手を握ってにっこりと笑う）
雪那
私も…うれしいです
晴陽
（雪那も、頬を染めながら手を握り返してる）
晴陽
（私には、そんなことしてくれたことないのに…）
晴陽
（って、私が拒絶したんだっけ…）
晴陽
（…なんだろ、この気持ち…）
晴陽
…………
深夜一時
晴陽
（眠れない…）
晴陽
（なんだろ、もやもやする…）
晴陽
（今日は楽しかった…はずなのに）
雨月
くー…くー…
雪那
すぅ…すぅ…
晴陽
（二人はすっかり眠ってる）
晴陽
（雨月ったら、雪那に抱き着いたまま寝ちゃって…）
晴陽
（…………）
晴陽
（なんだろ、しんどい）
晴陽
（…トイレ行こ）
梓
あれ？どうしたのー？
晴陽
あ、すみません
晴陽
なんだか眠れなくて…
梓
そかそか
梓
だったら、少し話でもしない？
晴陽
あ、はい…
晴陽
（確かに、誰かと話したほうが気がまぎれるかも…）
梓
じゃ、おいでよ
梓
ソファーの隣が空いてるぞー
晴陽
（私は梓さんの隣に座った）
梓
いやー、娘から話は聞いてるよ
梓
一度、会ってみたいと思ってたんだ
晴陽
ありがとうございます…
梓
凄く素敵でかっこいい子だって言ってるよ
晴陽
あはは、恐縮です
梓
いつも娘と仲良くしてくれたありがとうね
晴陽
お礼なんか言われることじゃないですよ
晴陽
雨月は、大事な友達ですから
梓
…………
梓
友達…ね
梓
本当にそれだけかな？
晴陽
え…？
晴陽
（なに？）
晴陽
（どういう意味？）
梓
なんかさ、娘が雪那ちゃんと仲良くしてるのを見て
梓
モヤモヤしてるように見えたからさ
梓
少し気になったのよ
晴陽
（やだ…伝わってたんだ）
晴陽
（どうしよう、気まずい）
晴陽
まあ、今まで雨月は私だけの雨月でしたから…
晴陽
内心、少し複雑なところはあるのかもしれませんね
晴陽
他に仲のいい子はできたのは祝福すべきなんですけどね…
梓
仲いい子じゃなくて、恋人でしょ？
梓
恋人って言うこと、無意識に避けちゃってるんじゃない？
晴陽
あ…
晴陽
（私、雨月と雪那が付き合っていることを口にするのを無意識に避けてた…？）
晴陽
（なんで…？）
梓
…一つだけ、おばさんからアドバイス
梓
自分で自分に嘘を吐くのは、一番つらいことだよ？
晴陽
…どういう意味ですか？
梓
自分でわかってるはずだよ
梓
あとは、悩んで悩んで悩み抜きな
梓
おばさんからのアドバイスは以上！
晴陽
ありがとうございます…
梓
うん！
梓
じゃあそろそろ寝な
晴陽
はい、おやすみなさい…
晴陽
（私…雨月のことをどう思ってるんだろう）
晴陽
（もしかして、本当は雨月のことを…）
晴陽
（好き…なのかな？）
晴陽
雨月…
晴陽
（雨月は、隣で雪那に抱き着いて寝てる）
晴陽
（頭の中で、雨月にキスする空想をしてみる）
晴陽
（…全然、いやじゃない）
晴陽
（むしろ、鼓動が早くなる）
晴陽
（なんで…）
晴陽
（なんで今さら、気づいちゃったの…？）
晴陽
（もう、雨月には恋人がいるのに…！）
晴陽
…あれ？
晴陽
（同じクラスの子からメールだ…）
クラスの子
ねえこれ、土山雨月さんじゃない？
晴陽
雨月？なにが？
クラスの子
これ
クラスの子
https://thoitt×r.com/erouzu×××
晴陽
…え？
晴陽
な、なにこれ…？
晴陽
（URLの先は呟き系の短文投稿サイト）
晴陽
（そこには着替え中の女の子の写真と…）
晴陽
（『気持ちいいことしてくれる友達募集！あとで住所公開するから遊びに来てね！』っていうメッセージ）
晴陽
（後ろから、顔は見えないように撮影されてるけど…）
晴陽
（これは間違いない…！）
晴陽
（雨月だ…！！）
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