ノベル
ホラー・ミステリー
68
境界の向こうに空はある
第17居住区。
人口258人の小さな村で、14歳のハルは生まれ育った。
村の北には、高い壁と金属の柵――「境界」がある。
外は危険だ。
境界には近づくな。
物心ついたころから、誰もがそう教えられてきた。
ある日、ハルは境界の古い柱に刻まれた「17」という数字を見つける。
その夜、外は危険だと言ったはずの父が、二本の古い鍵を持って境界へ向かう姿を目撃する。
なぜ父は嘘をついたのか。
「17」とは何を意味するのか。
そして、境界は本当に外の危険から人々を守るためだけに存在するのか。
幼馴染のミオと調べ始めた小さな疑問は、やがて村の成り立ちと、何世代にもわたって受け継がれてきた秘密へつながっていく。
これは、壁を壊す物語ではない。
知らないまま従うのではなく、知り、考え、自分たちで選ぶための物語。
境界の向こうにも、空は続いている。






