ナツメ
見せたいものって?
和樹
入って来てから話すよ
和樹
言葉発さずに来た方がいい
あーちゅん
なんで?
和樹
この騒動が近所にバレたら大変だ
和樹
俺らだって保護されちまうだろうし
和樹
だったら見つかる前にと思って
健
了解
ナツメ
あ、健
あーちゅん
近くにいるのに声が出せないって不思議
健
中、入るぞ
ナツメ
待って
ナツメ
その前に
ナツメ
亜百合も
あーちゅん
そうだね
あーちゅん
私たち園田のこと色々誤解してたの
ナツメ
だから園田が戻ってきたら謝ろうと思って…ごめんなさい!
あーちゅん
ごめん🙇♀️
健
健
別に、いいよ
健
俺だって荒れてたときはヤバかったし
健
誤解されても仕方ないっつーか
健
だから全然いい
あーちゅん
ほんとに⁉︎
ナツメ
ありがとう😊
ナツメ
じゃあ玄関から入るね
和樹
これを見てほしいんだ
あーちゅん
何、これ
ナツメ
手紙?
健
随分きたねーな
和樹
結構昔の物だとは思う
和樹
見てほしいのは中身だ
ナツメ
読んでいいの?
和樹
あぁ
ナツメ
愛する春代へ
あーちゅん
愛するってラブレター⁉︎
和樹
先を読んでくれ
ナツメ
うん
ナツメ
この手紙を君が死ぬまでに読んでくれるかはわかりません。
ナツメ
しかし、この手紙を読んでくれることを願ってここに自分の気持ちを記します。
ナツメ
まず私が死ぬまで君が私を愛してくれて嬉しかった。ありがとう。
ナツメ
私は君と出会っていなかったからこんな晴れ晴れとした気持ちで死を迎えることは出来なかっただろうと思う。
ナツメ
だから君が側にいてくれることが幸せだったんだ。
ナツメ
でも君はそうじゃなかった。
ナツメ
なかなか子供が出来ず、とても苦しんでいたね。
ナツメ
私は別に子供がいなくてもよかったけど君がそれを許さなかった。
ナツメ
君が自分で自分を追い詰めているようにも思えた。
ナツメ
だから私は君に猫を贈ることにした。
あーちゅん
猫って…
健
まさか
ナツメ
最初に1匹贈ったときはこれで君が自分を追い詰めることをやめるとは思っていなかった。
ナツメ
ただ少しでも心休まる時間を作りたくてプレゼントしたんだ。
ナツメ
するとどうだろう。
ナツメ
君はどんどん元気になっていった。
ナツメ
だから私は君の誕生日である5月6日にかけて56匹の猫を君に贈ろうと考えた。
ナツメ
どんどん増えていく猫に食費は馬鹿にならなかったが、君が喜んでくれることが嬉しくてたったの2ヶ月で56匹揃った。
ナツメ
しかし事件は起きた。
あーちゅん
事件て
ナツメ
近所の人が人が変わったようにうちの猫を刺し始めた。
ナツメ
私も苦しかったが
ナツメ
君はもっと苦しかったんだろう。
ナツメ
だからあの古い呪いを知ったときは迷わずやろうと決心した。
健
呪いってこの呪いか。
ナツメ
その呪いはこうだ。
ナツメ
うちの猫を傷つけ、酷い目に遭わせたものには天罰がくだろう。
ナツメ
罪人は猫に変えられ、私達の有り難みを知るであろう。
ナツメ
関係のない人まで巻き込むことになるかもしれない。
ナツメ
でも呪いの殆どは君の気持ちで決まる。
ナツメ
呪いがかかってほしくないと思えばかからないし、かかってほしいと思えばかかるはずだ。
ナツメ
だから君に負担をかけるようだけど君の気持ちが尊重できるような呪いにした。
ナツメ
あともう一つ、
ナツメ
万が一56匹の猫が揃った場合
ナツメ
君を僕と同じ墓に入れてもらうことにした。子供たちの力を借りて。
ナツメ
生きたいと思うかもしれないが、呪いはそういうものだと思って受け止めてほしい。
ナツメ
君が墓に入ったら56匹の猫も解放する
ナツメ
そういう呪いだ。
ナツメ
必ずこれを読んでくれることを信じる。
ナツメ
これは君と私の思い出の中に閉まっておこう。
ナツメ
宗一郎
和樹
そういうことだ
健
いつ見つけたんだ
健
これ。
和樹
猫に変えられたあとこの家を調べてた
あーちゅん
猫になっても人間のときの記憶はあるの⁉︎
健
俺は全く無かったけど。
和樹
個人差なのかな?
和樹
俺ははっきり記憶があったよ。
和樹
人間に戻る方法を探すために家を調べてたんだ。
和樹
そしたら黒い高価そうな箱の中にこの手紙とブローチみたいなものが入ってて
ナツメ
そのブローチが思い出の中にしまうってことなのかな?
あーちゅん
多分そうじゃない?
健
猫ババアはこれを読んでいたのか?
和樹
それがわからないんだ
和樹
封を切ったような痕跡はあったけど半分くらいしか切られていなくて…
和樹
見ていないのかもしれない
ナツメ
この手紙、どうする?
あーちゅん
どうしよっか
和樹
俺は元の場所に置いておこうかと思ってたんだけど
健
墓に、入れてやればいいんじゃないか
健
もしくは墓の近くに置いておけば
ナツメ
そうだね
あーちゅん
お墓開けるのは怖いけど近くに置くくらいならいいんじゃない?
和樹
じゃあ行こう
和樹
バレたら大変だからね
健
だな
あーちゅん
でもほんとよかった
ナツメ
そういえば園田のお母さんは?
健
母さんもなんも覚えてないらしい
健
今は普通に元気だ
あーちゅん
そうなんだ!
あーちゅん
よかったね😁
和樹
話変わるけど
和樹
猫屋敷、取り壊されるみたいだぞ
ナツメ
取り壊し⁉︎
あーちゅん
嫌な目にはあったけどちょっと可哀想でもあるよね…
健
墓はどうなるんだ?
健
ほかの猫とかも。
和樹
墓は別の場所に移されるらしい
和樹
猫ババアが行方不明ってことになってるから移動するときに驚くだろうな
和樹
猫は貰われるか、保健所に行くらしい
ナツメ
保健所か…
ナツメ
可哀想だけど仕方ないね
和樹
天国に行ってもあの夫婦は猫と一緒に暮らすんじゃないかな。
和樹
それなら幸せだろ?
あーちゅん
そうだね
健
あぁ。






