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暖房はついているのに、真白はブランケットを肩まで引き上げていた。
ソファの端に座り、体を丸めている。
「寒い?」
「うん」
「さっきまで平気だったよね」
「今は違う」
理由としては曖昧だけど、アレクシスは否定しない。
隣に座り、ブランケットの端を引き寄せた。
「これでどう」
「……ちょっと足りない」
「要求が増えてる」
「冬だから」
「便利だね」
「季節のせい」
二人分のブランケットは、自然と距離を縮める。
真白の肩が、アレクシスの腕に触れた。
「近い?」
「ううん」
「じゃあ、このまま」
テレビでは、よくわからない番組が流れている。
音だけが、部屋を満たしていた。
「ねえ」
「なに」
「動かないで」
「急に」
「今、ちょうどいい」
「……了解」
しばらく沈黙。
真白が、アレクシスの袖をつまむ。
「これ、あったかい」
「服の話?」
「中身」
「曖昧」
「褒めてる」
「なら、いい」
アレクシスは、少しだけ体を寄せた。
ブランケットの中の空気が、さらに暖かくなる。
「アレク」
「なに」
「このまま、年越す?」
「たぶん」
「毎年?」
「予定は空けてる」
「……それ、ラブラブ?」
「今さら?」
「確認」
真白は小さく笑い、額をアレクシスの腕に軽く当てる。
「ここ、落ち着く」
「動かない理由が増えた」
「動かないで」
「さっきも聞いた」
「大事なこと」
「はいはい」
ブランケットの中で、指先が触れる。
絡めるほどじゃない、でも離れない距離。
「ねえ」
「まだある?」
「うん」
「どうぞ」
「好き」
一拍。
「……知ってる」
「返さないの?」
「今は、くっつく方で返す」
「ずるい」
「冬だから」
「またそれ」
二人はそのまま、ソファに沈み込む。
時間は特に意味を持たず、ただ過ぎていく。
外は寒い。
でも部屋の中は、理由がなくても、十分にあたたかかった。