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なんでお義母さんは監視しているのかしら?それを報告しているのは誰?沙夜ちゃんに司さんの写真を見せて 黒だと言う後輩も怪しい😢 どんどんミステリーが膨らんでます

これどんどん引き込まれていきますねー
ものすごく先が気になります‼️ 本当は前から沙夜ちゃんを知っていたの? 赤ちゃんはどうなったんだろう? 気になる事が多すぎます🤔
自宅に戻った沙夜は、玄関の鍵を開け中へ入った。
そこは、間違いなく沙夜の実家だった。
十か月前の我が家は、以前と何も変わらず彼女を迎えてくれた。
しかし、いつもなら顔を出す義母・美智子が今日は出てこない。
不思議に思いながら靴を脱ぎ、スリッパをはいてリビングへ向かうと、部屋の中から声が聞こえた。
義母は電話中のようだ。
「ええ、ええ、助かったわ。いつも情報ありがとう。このあとも監視よろしくね」
(情報? 監視? いったい何のこと?)
聞き慣れない言葉に沙夜は驚いた。
すると美智子がリビングから出てきて、沙夜に声をかける。
「あら、帰ってたのね」
「……ただいま」
「お夕飯は食べてきたの?」
「はい」
「そう。お風呂空いてるから、どうぞ」
「ありがとうございます。お父さんは?」
「今日は接待で遅くなるみたいよ」
それだけ告げると、美智子は何事もなかったかのようにキッチンへ消えていった。
沙夜は電話の相手が気になったが、聞くこともできず自室へ向かった。
風呂に入り、部屋に戻って窓の外の月を眺めながら、心の整理を始める。
(過去に戻ったけど、以前と何も変わっていない……。でも、もし私が前とは違う行動を取れば……未来は変わるのかしら?)
まさか小説や映画のような展開に巻き込まれるとは思ってもいなかった。
これが夢でない限り、この現実は続く。
ならば、この世界でどう生きるかを真剣に考えなければならない。
そして、今まで意識的に記憶から消していたことがふっと蘇る。
(赤ちゃん……私の赤ちゃんは? あの子はどうなるの?)
それだけが心残りだった。
意識が遠のく中、泣き叫ぶ我が子の姿がぼんやりと視界に入った。
元気に声を上げていた男の子は、これからいったいどうなってしまうのだろう――
そう思うと、沙夜の瞳から静かに涙がこぼれ落ちた。
その夜、沙夜は泣き疲れ、ぐったりとしたまま深い眠りへと落ちていった。
翌日、沙夜は少し気分がすっきりして目覚めた。
体に残っていた疲労も、だいぶ薄れている。
考えてばかりいても仕方がない。
とりあえず会社へ行こう――そう決めた。
独身時代のように身支度を整え、両親と朝食を取ったあと、沙夜は職場へ向かった。
その日は特にトラブルもなく、淡々と過ぎていった。
こちらの世界で過ごしていると、現実世界の方が夢だったように感じる。
見合いをして結婚し、子供を産んだことさえ、幻だったのではないかと思えてくる。
仕事を終えた沙夜は、まっすぐ帰る気になれず、独身時代によく訪れた銀座へ足を向けた。
街を歩きながら、これからのことをゆっくり考えたかった。
有名ブランドが立ち並ぶ通りをゆっくり歩くと、不思議と心が落ち着いた。
あの頃と同じように、平穏な気持ちが胸に広がる。
ショーウィンドーを覗きながら歩いていると、ふと見覚えのある顔が目に留まり、沙夜は足を止めた。
(司さん! どうしてこんなところに?)
咄嗟にビルの陰へ身を隠す。
この世界で夫に会うことは、想像以上の衝撃だった。
頭では理解しようとしても、気持ちが追いつかない。
司は沙夜の前を通り過ぎる。
その瞬間、司はこちらを振り向き、二人の視線が一瞬だけ絡んだ。
(見られた?)
沙夜は焦ったが、司は表情を変えることなく歩き去った。
まるで彼女の姿が見えていないかのように。
(私のこと、見えてないの……?)
その事実に、沙夜はショックを隠しきれなかった。
そして司の後ろ姿を見つめながら、あることに気づく。
司の隣には、美しい女性が腕を絡めて寄り添っていた。
彼女が満面の笑みで司を見上げると、司も優しく微笑みを返す。
その表情は、沙夜が一度も見たことのないものだった。
そのとき、その光景に見覚えがあることに気づいた。
それは以前、後輩の梨花に見せられた写真とまったく同じだった。
司の服装も、隣にいる女性も、あの写真と一致している。
(あの写真は最近撮ったものだって梨花ちゃんは言ってたはず……なのに、どうして?)
もしあの写真が今――つまり十か月前のものだとしたら、浮気ではなく、司がまだ沙夜と知り合う前の出来事になる。
しかし梨花が嘘をついているとは思えず、沙夜の胸には疑問だけが残った。
気になった沙夜は、二人の後をつけることにした。
繁華街を五分ほど歩いた二人は、商業ビルの前で足を止め、誰かを待っているかのように楽しそうに談笑を始めた。
そこへ、一人の男性が近づいてきて声をかける。
(私のことが見えてないなら、近づいても大丈夫よね……)
沙夜は慎重に距離を詰め、街路樹の陰から三人の会話に耳を傾けた。
「よっ、司! 久しぶり!」
「健一郎! 元気そうだな。結婚するって聞いて驚いたよ。ようやく腹をくくったんだな」
「ははっ、まあな。結衣とは長い付き合いだからさ、そろそろけじめつけないと、おばあちゃんになっちゃうしね」
「あ~、何それ! ひど~い! 誰がおばあちゃんよっ、もうっ!」
女性が頬を膨らませる。
司と腕を組んでいた女性は、“結衣”というらしい。
その事実に、沙夜は思わず息をのんだ。
(司さんの浮気相手じゃなかったの?)
三人の様子は、昔からの友人同士にしか見えなかった。
結衣はあとから来た健一郎との結婚が決まり、その報告を司にするために会っていたのだ。
(……私ったら、とんだ勘違いだったんだわ……)
梨花に悪意はなかったとしても、他人からの言葉を真に受けた自分が恥ずかしい。
それでも心のどこかで、司を疑おうとする自分がまだいた。
そのとき健一郎が司に言った。
「お前もようやく結婚したい女性を見つけたって結衣から聞いたけど、誰なんだよ?」
「もう話したのか?」
問い詰められた結衣は、ばつが悪そうに笑いながら言った。
「まあいいじゃない。ご飯食べながらゆっくり話そ!」
三人は笑顔で、ビルの中の和食店へ入っていった。
(司さんに、好きな人が……? 私とお見合いする前から好きな人が……?)
その衝撃に、沙夜の体がぐらりと揺れた。
(好きな人がいたのに、私と仕方なく結婚したんだ……会社のために……)
司を好きでもなんでもないと思っていたはずの自分が、ショックを受けている。
その事実に戸惑いながら、沙夜は肩を落とし、ゆっくりと自宅へ向かった。