テラーノベル
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「汚いから洗ってやれ」
その一言で、周りの空気がまた変わった。
「いいじゃん、それ」
「こいつ汗くせぇし」
「風邪引いてんじゃね?」
笑いながら、遥の腕を掴む。
「……いい」
「何が?」
「自分で行くから」
「そういう問題じゃねぇよ」
腕を引かれ、遥はよろけた。
さっきから身体に力が入らない。立っているだけでも息が浅くなって、視界の端がぼやける。
「おい、歩けよ」
「……待って」
「何?」
「ちょっと、気持ち悪い」
「また?」
笑われる。
「昨日からそればっかじゃん」
「保健室行けば?」
「こいつ休んだら仕事できないじゃん」
誰かがそう言って、遥の背中を押した。
「だったら洗って戻ってこいよ」
廊下へ連れ出される。
足がうまく動かない。
それでも止まれば、また何か言われる。
遥は壁に手をつきながら進んだ。
「遅い」
「……ごめん」
「謝る暇あったら歩け」
階段を下りる途中、急に身体が重くなった。
足元が揺れる。
「おい」
肩を掴まれた。
「倒れんなよ。面倒だから」
その言葉だけは、はっきり聞こえた。
心配ではない。
助けたいわけでもない。
ただ、使えなくなるなと言われている。
遥は何とか顔を上げた。
「……大丈夫」
声が自分でも分かるくらい弱かった。
「なら行けるな」
また歩かされる。
けれど、さっきまでとは明らかに違った。
身体が言うことを聞かない。
息をするだけで苦しく、頭がぼんやりする。
それでも誰も止まらない。
「早くしろよ」
「授業始まるぞ」
「戻ってこいよ。まだ終わってねぇから」
遥は返事をしなかった。
返事をする余裕すら、もう残っていなかった。
コメント
1件
うわ、これ辛い…。もう遥の体力も気力も限界なのに、周りは全然気づいてくれないというか、気づこうともしてないのが痛いほど伝わってきた。「ただ、使えなくなるな」ってとこが特に胸に刺さったわ。心配じゃなくて「面倒だから」止めるって、その温度差がリアルで読んでてしんどかった。助けてくれる人が一人もいない孤独感がひしひしと…。続きどうなるか気になる。
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#ヘタリア腐
𝕕𝕣𝕖𝕒𝕞
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