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教室に足を踏み入れた瞬間、遥は吐きそうになった。昨夜の家での責め、身体に残る痛みと羞恥、心の奥底に沈殿した絶望——全てがまだ身体を蝕んでいる。
「おい、来たな、雑魚」
男子の声がすぐに飛んできた。遠くで教師も冷たい視線を送る。
遥は小さく身を縮める。けれど、教師は近くに立ち、にやりと笑った。
「昨日、保健室で休んでたそうじゃないか。さあ、みんなの前で説明してもらおうか」
声は低く、しかし教室に響く。全員の視線が遥に集中する。心臓が張り裂けそうだ。
男子が前に出るように指を差す。
「さあ、言えよ。なんで休んでたんだ?」
「……体調……」
遥は震える声で答える。弱々しく、でも精一杯の言葉。
教師はにやりと笑い、背中を叩いた。
「体調? ふざけんな、言い訳は通用しないぞ」
男子も女子も嗤う。
「ほんと、見てるだけで腹立つ顔してるな」
「何その顔、まだ気持ち悪そうにしてんの?」
遥の肩を押され、膝も踏まれる。息が苦しい。涙が頬を伝う。
「泣くなって言っただろ」
教師の声はさらに冷たい。
「昨日の夜、何してたんだ? 言え」
遥は口を閉ざす。答えればまた叩かれる。答えなければ嘲笑される。
「……何も……」
その言葉に男子が笑い声を上げる。
「何も? ふーん、何もしてないくせに、体中あざだらけだな」
「見ろよ、この無様な腕、膝」
「ほんと、ゴミだな、お前」
教師はさらに一歩近づき、手で遥の頬を叩く。
「もっと誠意を見せろ。言葉だけじゃ足りないぞ」
男子も女子も順番に肩を押し、机で身体を叩き、ひざ蹴りも加わる。
「動け、雑魚」
「もっと見苦しく、全身で醜態晒せ」
遥は震える身体で小さく声を絞り出す。
「……ごめんなさい……」
しかし、それだけでは足りない。教師は机の端を叩きながら命令する。
「謝れば済むと思ってるのか? もっと心を見せろ」
周囲の生徒は容赦なく罵倒を重ねる。
「泣くなよ、そんな顔見せんな」
「お前、笑えるほど弱いな」
「存在自体が不快だわ」
遥は肩で息をし、身体のあざを押さえる。痛みが走るたび、心もずたずたに裂ける。
「……もう……やめて……」
その声を聞くと、教師は小馬鹿に笑った。
「やめる? 甘ったれるな、もっと見せろ、その情けない姿を」
男子も女子もさらに押し付ける。膝蹴り、背中を叩く、肩を押す。
「もっと醜態晒せ」
「お前みたいなやつ、ここにいるだけで迷惑なんだ」
遥の心は叫びたいのに、言葉は出ない。身体が痛くて、涙が止まらない。
しかし、誰も手を差し伸べない。教師は傍らで笑い、生徒たちは嘲笑する。
「ほら、もっと泣け、見苦しい顔を晒せ」
「存在してる価値ないんだろ?」
遥は小さな声で、必死に言葉を絞り出す。
「……すみません……」
でも、それでもまだ終わらない。周囲の視線が、罵倒が、手や膝の痛みが続く。
身体も心も押し潰され、教室全体が地獄のように感じられる。
この日、授業はほとんど意味を持たない。すべては遥を徹底的に痛めつけ、心を踏みにじるために用意された時間のようだった。