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寿命㌫(主) 🔮🖤ᩚ
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コメント
1件
うわっ…第38話、読み終わったけど胸がギュッてなったよ…😢💔 凪、ちゃんと来ちゃったんだね。「行かない方がいい」って分かってても、蒼の「来なかったら呼ばない」って言葉が頭から離れなくて、結局足が校門をくぐっちゃうの、切なすぎるよ…。 沙希の「まだ帰らないの?」って台詞、優しい声なのにめちゃくちゃ刺さるんだけど…!あの場の空気、笑い声、誰も止めてくれない廊下の冷たさがリアルで、読んでて苦しかった🥺💦 凪の「どこまで耐えられる?」って問いかけで終わるラスト、マジで続きが気になりすぎるよ〜!次話も絶対読むからね!!📖🔥
朝。
講義棟の前はいつも通り人が多かった。
笑い声。
スマホの音。
何も変わらない日常。
でも。
凪の足は、校門の前で止まっていた。
行かない方がいい。
それが一番分かっている。
蒼の言葉が頭に浮かぶ。
――来なかったら、もう呼ばない。
凪は目を閉じた。
それでいい。
それで終わる。
そう思って、何度も帰ろうとした。
でも。
気がついたら、ここまで来ていた。
「……ほんと」
小さく笑う。
「馬鹿だな」
凪は校門をくぐった。
講義棟の階段を上がる。
胸の奥が重い。
蒼はきっと、もう分かっている。
自分が来ること。
階段を上がりきったところで。
声がした。
「ほら」
男の声。
「来た」
凪の足が止まる。
廊下の奥。
蒼の友達のグループがいた。
五、六人。
壁にもたれて、こっちを見ている。
その真ん中に。
蒼。
そして。
沙希。
蒼は凪を見て、笑った。
予想通り、という顔。
「おはよ」
軽い声。
凪は何も言わない。
周りのやつが笑う。
「ほんとに来た」
「すげーな」
「蒼の言う通り」
沙希は腕を組んで、凪を見ていた。
少しだけ面白そうに。
「ほら」
静かな声。
「来たじゃん」
蒼は肩をすくめる。
「言っただろ」
凪はその場に立ったまま動かなかった。
蒼が近づいてくる。
数歩。
距離が詰まる。
蒼は凪の顔を覗き込んだ。
「なんで来たの?」
昨日と同じ質問。
でも。
答えは分かっている言い方。
凪は視線を落とす。
蒼は小さく笑った。
「ほら」
周りに向かって言う。
「言った通り」
誰かが吹き出す。
「マジ犬」
「呼んだら来る」
凪の耳の奥が熱くなる。
蒼は続けた。
「なあ凪」
凪の顎に軽く指をかける。
上を向かせる。
「昨日さ」
少し笑う。
「帰るとか言ってたよな」
周りがくすくす笑う。
蒼の目は楽しそうだった。
「帰れた?」
凪は答えない。
蒼は顔を近づける。
声を少し落とす。
でも。
周りにはちゃんと聞こえる距離。
「結局さ、来たじゃん」
その一言。
笑い声。
凪の胸が強く締め付けられる。
そのとき。
沙希が口を開いた。
「ねえ蒼」
静かな声。
蒼が振り向く。
沙希は凪を見たまま言った。
「ちょっと可哀想じゃない?」
一瞬。
周りが静かになる。
でも。
沙希はすぐ続けた。
「ここまで来たんだからさ」
少し笑う。
「ちゃんと褒めてあげなよ」
空気が少し歪む。
蒼の友達が笑い始める。
「何それ」
「褒めるの?」
蒼も笑った。
「何を?」
沙希は肩をすくめる。
「従順さ?」
その言葉で。
また笑いが起きる。
凪の視線が揺れる。
沙希はゆっくり歩いてきた。
凪の前に立つ。
蒼の隣。
近い距離。
「凪」
名前を呼ぶ。
凪は反応しない。
沙希は首を傾けた。
「昨日さ、帰るって言ってたよね」
凪は小さく頷く。
沙希は笑った。
「でも来た」
少し間を置いて。
「なんで?」
凪は答えない。
沙希は蒼を見て言った。
「ねえ、蒼」
蒼が「ん?」と返す。
沙希は言う。
「こいつさ」
凪を指す。
「どこまでやったら離れると思う?」
廊下が静かになる。
蒼の友達が笑いをこらえている。
蒼は凪を見た。
少し考えるふりをして。
それから言う。
「無理じゃね」
軽い声。
「こいつ」
凪の肩を軽く叩く。
「壊れてるし」
笑い声。
沙希も笑った。
「確かに」
そして。
凪の目を見て言う。
「ねえ凪」
声は柔らかい。
でも。
残酷だった。
「まだ帰らないの?」
凪の喉が動く。
何か言おうとする。
でも。
言葉が出ない。
蒼が小さく笑った。
「ほら」
低い声。
「もう無理だろ」
凪の耳の奥で。
笑い声がまた広がる。
廊下を通る学生が、ちらっとこっちを見る。
でもすぐ去る。
誰も止めない。
蒼は最後に言った。
「なあ凪」
凪はゆっくり顔を上げた。
蒼の目は、楽しそうだった。
「今日さ」
少し笑う。
「どこまで耐えられる?」
その言葉で。
周りがまた笑った。
凪は。
その場から動けなかった。