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高校二年生・仮名:Eさん
寝る前やお風呂に入っている時、急に昔のことを思い出します。
小学生の頃の失敗や、変な発言、恥ずかしかった出来事などです。
もう何年も前のことなのに、思い出すたびに「なんであんなことしたんだろう」と苦しくなります。
今さらどうにもならないことだと分かっています。
でも、忘れた頃に急に思い出して、一人で恥ずかしくなります。
どうしてなんでしょうか。
遥
「これ、嫌だよな」
蓮司
「始まる時は急だし」
日下部
「防ぎようがない」
遥
「そう。平和に歯磨きしてたのに急に数年前の自分が出てくる」
蓮司
「しかも大体ろくでもない」
遥
「いい思い出はあまり来ない」
日下部
「不公平だな」
遥
「本当に」
蓮司
「でもさ、Eさんが思い出すのって昔うまくいったことじゃなくて失敗ばかりなんだろう?」
遥
「そっちばっかり」
日下部
「人間は失敗を記憶しやすい。危険を避けるためだ」
遥
「便利なのか不便なのか」
蓮司
「今の生活で蛇に襲われることは少ないのに昔の発言には襲われる」
遥
「嫌な進化だな」
少し笑いが漏れる。
日下部
「だが、一つ気になる」
遥
「何」
日下部
「Eさんは昔の自分を今の基準で裁いていないか」
遥
「……あ」
蓮司
「それはあるかもしれない」
日下部
「小学生の自分に高校生の常識を要求しても仕方ない」
遥
「確かにな。今ならやらないことを昔の自分は普通にやってるし」
蓮司
「逆に言うと今恥ずかしいって思えるのはその頃から少し変わったってことでもある」
遥
「成長した証拠ってやつか」
蓮司
「まあ、そんな大げさな話じゃなくても。当時より視野が広くなったってことはある」
日下部
「もし全く変わっていなければ恥ずかしいとも思わないだろう」
遥
ruruha
362
ruruha
272
ruruha
558
「それもそうか」
少し考える。
「でも思い出した瞬間ってそんな理屈吹き飛ぶんだよな」
蓮司
「分かる。うわってなる」
日下部
「なる」
遥
「なるんだ」
日下部
「人間だからな」
蓮司
「意外と日下部も被害者だった」
日下部
「誰でもある。思い出したくないことの一つや二つ」
遥
「二つで済まない」
蓮司
「数えるのはやめておこう」
日下部
「Eさん、昔の失敗は消えない。だが、それを何年も覚えているのは案外本人だけかもしれない」
遥
「他人の黒歴史ってそんなに覚えてないしな」
蓮司
「自分の恥は拡大して見える。他人の恥は意外と流れていく」
遥
「不思議なもんだ」
🗝 三人からのことば
遥
「昔のことを思い出して苦しくなるのは、珍しいことじゃない」
蓮司
「恥ずかしさは、少し変わった証拠なのかもしれない」
日下部
「過去の自分を、今の自分の基準だけで裁く必要はない」
コメント
1件
うわ、めっちゃ共感する…!私も寝る前に急に小学生の頃の変な発言思い出して「うわああ!」ってなるタイプだから、この話は刺さりすぎたわ。特に「当時の自分に今の常識を要求しても仕方ない」って日下部の言葉が優しくて、ちょっと救われた気がする。他人の黒歴史って意外と覚えてないっていうのも納得。三人の掛け合いが自然で、読み終わったあと心が軽くなった。ruruhaさん、こういうあるあるを優しく包み込んでくれる話、ありがとうございます!