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庭に這いずりながら口に入れた水と泥の混ざった食べ物を飲み込む。全身が痛み、頭はくらくらする。それでも、晃司たちは止まらない。颯馬が後ろから肩を押し、怜央菜が足元で笑いながら、俺の腕をつかむ。沙耶香も加わり、俺を囲むように立っている。
「もっと這えよ、俺たちの言う通りに動け」
晃司の声が響く。背中に重みを感じ、思わず呻く。
「おい、こっち向け」
颯馬が手で顔をつかむ。俺は咄嗟に目を背けるが、それすら許されない。
「見てよ、この情けない顔。誰も助けてくれないんだから」
怜央菜の声は甘いが、鋭い刃物のように胸を刺す。
友人たちも動き出す。片方が俺の背中に小さな荷物を押し付け、もう一人が足元を踏んで体の自由を奪う。全員で囲み、俺の這う速度を調節するかのように、手や足を押さえつける。口に入れるものも、さらに屈辱的に――ぬるく腐敗したパン、庭の砂や泥を混ぜた水。
「ほら、全部食え。残すなよ、情けない奴」
晃司が笑いながら叫ぶ。
「もっと舐めて、這いつくばるの」
沙耶香も追い打ちをかける。
俺は口に押し込みながら、涙をこぼす。ああ、これも俺が悪いからだ。全部、俺のせいだ。少しでも抵抗したら、もっと酷い目に遭う。そう考えると、声も出せない。
「もう無理……動けない……」
小さく漏れた声に、颯馬が笑う。
「無理? お前が無理とかじゃなくて、俺たちが見たいからやってるんだよ」
「そう、限界まで這わせるのが面白いんだよ」
怜央菜も加わる。
俺は膝をつき、這いながら水を口に入れる。吐き気と羞恥が押し寄せるが、それでも止まれない。友人たちは笑い声を上げ、身体を押さえつけ、足を踏みつける。俺の顔を覗き込み、「もっと必死になれ」と嘲る。
「なんで……俺、こんなことされなきゃいけないんだ……」
小さな声を絞り出す。誰に向けているわけでもない。答えはすぐ隣にいる、全員の顔から聞こえてくる。
「嫌いだからだろ」
晃司が言い放つ。
「お前が悪いんだ。全部お前のせい」
颯馬が加える。
「見てよ、誰も助けてくれないのに必死に這いずり回る姿」
怜央菜が笑う。
口に入れる水や食べ物が喉を通るたび、心まで押し潰される。全身の痛み、羞恥、絶望感――すべてが絡み合い、俺を完全に追い込む。声を出すのも躊躇われる。だが、全員の視線、笑い声、手の圧力、足の蹴り……それが止まらない限り、俺は動き続けるしかない。
「もう……ごめん……」
小さく呟くと、晃司が手を叩き、颯馬が顔を近づけて笑う。
「謝るな、もっと這え。俺たちが楽しむだけだ」
俺は這いながら、全身の痛みと羞恥に耐え、口に入れる。誰も手を貸してくれない。全員の笑いが、胸の奥で俺を突き刺す。限界はもう目の前だ。