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高校二年生・仮名:Tさん
私はクラスで、いわゆる「いじられ役」です。
からかわれることも多いけど、
笑いに変えれば場が和むし、
それで輪に入れてるならいいと思ってきました。
でも最近、正直しんどくなってきて。
笑ってるふりをするのがつらくて、
少し距離を取るようにしたら、
前より話しかけられなくなった気がします。
もし完全にいじられ役をやめたら、
誰も私に話しかけてこなくなるんじゃないか、
そう考えると怖くて、
結局また元に戻ってしまいます。
私は、どうしたらいいんでしょうか。
遥
「……これな。
“役”として一番消耗するやつだと思う」
蓮司
「うん。“笑わせてる側”じゃなくて
“笑われて場を保ってる側”だね」
日下部
「……Tさん、もう気づいてるよな。
楽しいから笑ってるんじゃないって」
遥
「“いじられ役やめたら誰も来なくなる”って不安
それ、めちゃくちゃリアルだよ」
蓮司
「だって実際、
“いじれるから近づいてた人”は離れる可能性ある」
日下部
「……そこ、誤魔化さない方がいい」
遥
「でもさ
それって“Tさん本人”に来てたわけじゃなくて
“使いやすい役”に来てただけなんだよな」
蓮司
「そう。関係じゃなくて、機能」
日下部
「……笑って受け取ってくれる人がいるから 安心して投げてただけ」
遥
「Tさんが静かになった瞬間、 相手は“どう接したらいいか分からなくなった”だけ」
蓮司
「それを“嫌われた”って思わされがちだけど、 実際は、雑な関係が終わっただけ」
日下部
「……でも怖いよな。 誰も来ない時間」
遥
「うん。正直、空白はできる」
蓮司
「一時的にね。
“役を降りた直後”は、必ず揺れる」
日下部
「……その空白を埋めるのが “本当に話したい人”だ」
遥
「いじられ役ってさ、 “自分を雑に扱っていいですよ”って 先に許可出してる状態なんだよ」
蓮司
「それをやめたら、 相手も“ちゃんと向き合うか、離れるか”を迫られる」
日下部
「……離れる人が出るのは 失敗じゃない」
遥
「むしろ 今まで無理して守ってた人数が減るだけ」
蓮司
「Tさんが心配してる“誰も話しかけてこない”は “誰でもよかった状態”が終わるってことでもある」
日下部
「……数は減る。 でも、密度は変わる」
遥
「あとさ。 “いじられ役をやめる”って 急に強くなる必要ないから」
蓮司
「笑わない日を増やす。
ツッコまない回を作る。
それでいい」
日下部
「……“今日はそのノリ無理”って 態度で示すだけでもいい」
遥
「それで残る人は
Tさんが笑わなくても、そばにいる人だ」
蓮司
「居場所って
“自分を削って守るもの”じゃない」
日下部
「……Tさんが消えない場所は ちゃんとある」
遥
「今は、役が先に立ってただけだ」
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