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管野アリオ
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Jasmine
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志絵は賢をキッと睨むと、彼がシレッとしながらグレープフルーツサワーを飲み続けている。
「セコい事を言うなって。俺と総長の仲だろ?」
賢がニヤけながら、志絵のお酒を飲み干してしまった。
「はぁ? 何言ってんの!? っていうか一年の時、アンタに『総長』なんてあだ名を付けられたお陰で今も呼ばれているの、すっっっごい嫌なんだけどっ! 勝手に人の酒を飲んだバツとして、一杯奢りなさいよっ」
「分かった分かった。享、グレープフルーツサワーを二つ、ヨロシク!」
賢が志絵を宥めつつ、インチョーにお酒の注文をした後、山盛りのフライドポテトを箸で摘み、口に放り込んだ。
「しかし、お前らのやり取り、高一の時から全然変んねぇなぁ……。夫婦漫才じゃあるまいし。ホラ、グレフルサワー二つな?」
半ば呆れ顔のインチョーが、トレイに乗せたグレープフルーツサワーを志絵と賢の前に置く。
「ありがとう、インチョー」
「サンキュー、享」
「ってかさ、もういっその事、お前ら結婚したらいいんじゃね?」
ドリンクを運び終えたインチョーが、ニマニマしながら厨房に戻っていく。
(はぁ? インチョー、悪い冗談やめてよ!)
頬をプックリと膨らましながら、志絵はグレープフルーツサワーで喉を潤して賢を横目にすると、彼は表情を翳らせ、テーブルに視線を落としていた。
店に入ったばかりの時、あんなに堂々としていた賢が急にしおらしくなったのは、移籍先が決まったとはいえ、昨年の戦力外通告が彼にとって、相当堪えているのかもしれない、と志絵は思う。
「……高西? さっきまで高かったテンションはどうしたの? ひょっとして、もう酔った?」
賢に気遣い、彼女はおずおずと声を掛けると、彼が慌てて面差しを取り繕う。
「ちっ…………ちげぇよ。ってかまだ全然酔ってねぇしっ」
「あっそ。ならいいけど。っていうか、せっかく数年振りにクラス会に参加してるんだし、他の人と話してきたら? みんなアンタと話ができたら、きっと喜ぶよ?」
志絵は、新しいグレープフルーツサワーを一口含みながら、鶏の唐揚げをパクリと頬張る。
「いや…………遠慮しとくわ」
気の抜けたような声色で、賢がポツリと零す。
さっきまで彼女のテーブルには数人のクラスメイトがいたけど、今は賢と志絵しかいない。
彼女は周囲を見回すと、他のクラスメイトたちはグループを作って、それぞれに再会とお酒、おしゃべりを楽しんでいるようだ。
「なぁ…………総長」
悠然と脚を組む賢に身体ごと向かれた志絵は、整った顔立ちを見た瞬間、ドクリと鼓動が跳ね上がった。
コメント
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管野アリオさん、第6話読みました!志絵と賢の漫才みたいな掛け合い、思わず笑っちゃいました。でも賢が急に表情を翳らせるところで空気が変わって、改めて彼の胸の内が気になりました。「総長」って呼ばれるのが嫌だと言いながらも、志絵はちゃんと賢を気にかけてるんですね。最後の鼓動の描写で、二人の距離感にドキっと来ました。続きがすごく気になります!