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#へたくそちゅーい- ̗̀⚠︎ ̖́-
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おお…これは重くて切ない展開だわ。雨の描写がずっと続くところが、もう胸に沁みる。紬が知らない蒼真の姿を、悠生だけが知ってるっていう構図が苦しい。『捨てるしかなかった』って言葉、蒼真の過去に何があったんだろう…小学生の頃に泣いてたってのも気になる。悠生が「約束を守る」って言ったときの苦笑いがすごくリアルで、3人の関係が一気に深く見えてきた。続きが気になりすぎる🔥
六月。
雨が続いていた。
昼休みになっても、窓の外は灰色のままだ。
紬は図書室へ向かっていた。
静かな場所にいたかった。
教室にいると、つい蒼真を探してしまう。
そんな自分が嫌だった。
図書室は空いていた。
本棚の間を歩く。
何か借りるつもりはない。
ただ歩くだけ。
そのときだった。
「……悠生」
思わず立ち止まる。
書棚の向こうから聞こえた声。
蒼真だった。
紬は反射的に身を引く。
覗くつもりはなかった。
でも、足が動かなかった。
「何」
悠生の声。
二人きりだった。
「この前のこと」
蒼真が言う。
「紬に変なこと言うな」
悠生は少し黙った。
「変なこと?」
「俺のこと」
短い言葉。
「昔のことも」
沈黙。
雨音だけが窓を叩いている。
「……言ってないよ」
悠生が静かに答える。
「言えるわけないだろ」
蒼真は目を伏せる。
「ならいい」
そう言って立ち去ろうとする。
「蒼真」
悠生が呼び止めた。
足が止まる。
「いつまで隠すつもり」
蒼真は振り向かない。
「隠してない」
「隠してるよ」
悠生の声は穏やかだった。
責めているわけではない。
ただ、確認するように。
「紬は何も知らない」
蒼真は何も言わない。
「知ったら傷つくと思ってる?」
また沈黙。
やがて蒼真が小さく笑った。
笑ったというより、息が漏れた。
「……違う」
「じゃあ何」
「俺が思い出したくない」
その一言だけだった。
紬は息を呑む。
思い出したくない。
蒼真が、自分でそう言った。
「だから」
蒼真が続ける。
「終わったことを掘り返されたくない」
「紬にも?」
「誰にも」
言い切った。
その声には迷いがなかった。
悠生は目を閉じる。
少しだけ考える。
「でも」
ゆっくり口を開く。
「紬は、お前が昔を捨てたと思ってる」
蒼真は苦く笑う。
「捨てたんじゃない」
短く息を吐く。
「捨てるしかなかった」
紬の心臓が大きく鳴る。
その言葉だけが耳に残る。
捨てるしかなかった。
どういう意味なのか。
何があったのか。
何一つ分からない。
それでも。
その一言だけで。
今まで知っていると思っていた蒼真が、急に遠くなった。
「……じゃあな」
蒼真は図書室を出ていく。
扉が静かに閉まる。
悠生はその場から動かなかった。
誰もいないはずの書棚へ目を向ける。
「聞いてるんだろ」
静かな声。
紬の肩が震えた。
ゆっくり姿を現す。
目が合う。
悠生は驚かなかった。
「いつから」
「……途中から」
嘘だった。
最初から聞いていた。
悠生は責めない。
ただ、小さくため息をつく。
「聞いちゃったなら仕方ないか」
紬は唇を噛む。
「……悠生」
「うん」
「蒼真に何があったの」
悠生はすぐには答えなかった。
窓の外を見る。
雨はまだ降っている。
「俺も全部は知らない」
静かな声だった。
「でも、一つだけ約束したことがある」
「約束?」
「小学生の頃」
悠生はゆっくり紬を見る。
「あいつが泣いてるのを見た」
紬は目を見開く。
「そのとき」
悠生は少しだけ苦笑した。
「『誰にも言うな』って」
そこで言葉を切る。
「俺、その約束だけは守るって決めたんだ」
図書室に沈黙が落ちた。
紬は何も言えない。
初めて知った。
自分の知らない蒼真がいたことを。
そして。
その蒼真を知っているのは。
自分ではなく、悠生だった。