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午前中、家の中は静まり返っている。俺だけが目を覚まし、まだ布団の中で震えていた。今日も兄弟や友人たちの思惑で一日が始まる。
「起きろよ、今日も楽しませてもらうぞ」
晃司の友人の声が響き、俺は布団から体を起こす。床に置かれた服は無造作で、着るものすら決められていない。怜央菜と沙耶香はリビングで笑いながらスマホをいじり、俺の行動を監視している。
「服を間違えるなよ。見せ物になるんだから」
友人の一人が言い、俺は言われるがままに服を着替える。手元が震え、指先に力が入らない。
準備が終わると、冷水の用意がされていた。バケツに注がれた氷水の匂いが鼻を突く。
「はい、行け」
颯馬の友人がにやりと笑い、俺は両手を押さえられ、無理やりバケツの前に立たされる。
「いや……冷たい……!」
小さな声が出る。だが彼らは笑うだけで、止める様子はない。水がかけられるたび、全身が縮こまり、体中の神経が痛みで震える。
「お前、顔まで浸せ」
別の男子が命じ、俺は震えながらバケツに顔を近づける。水が顔にかかると、息が詰まりそうになった。咳き込み、震える体を必死で支える。
「ほら、もっと見せろよ。情けない顔」
友人たちは交代で体を押さえ、冷水の圧力と笑い声で精神を追い込む。
その間も、行動は徹底的に管理される。座り方、手足の位置、歩き方、食事の取り方までも監視され、少しでも間違えると叩かれたり、鼻で笑われる。
「動き遅いぞ、俺の命令に従え」
颯馬の友人が声を荒げ、俺は体を小さくして従うしかない。言い訳は許されず、無言で従わなければならない。
食事も屈辱的だ。床に置かれた残り物を拾い、口に入れる。座る位置、食べる速さまで命令され、少しでも遅れたり零すと、手で叩かれる。
「もっと素早く、動物じゃないんだから」
女子の一人が冷たく笑う。
冷水をかけられ、行動を監視され、食事まで屈辱にさらされる――体も心も限界に近い。呼吸が荒く、体中が震える。だが、彼らの目が全てを見つめ、楽しんでいる。逃げることも拒まれる。
「もう……動けない……」
小さくつぶやく俺に、誰も答えず、ただ笑いが返るだけ。笑いの中で、俺は自分の無力さを痛感し、全身の力が抜ける。
しかし、身体の痛みと羞恥が混ざり合う中で、心の奥底でかすかにでも「耐えるしかない」という思いが残る。体は屈辱に震え、精神は消耗していく。今日もまた、彼らの娯楽にされ、操られ、完璧に支配される。