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庭の土はまだ夜露で湿っていて、裸足の足に冷たく刺さる。俺だけが外に出され、兄弟とその友人たちが囲む。日差しはまだ弱いが、笑い声と嘲笑で精神は熱く焼かれる。
「ほら、伏せろ」
颯馬の友人が命じ、俺は手足を広げてうつ伏せにさせられる。土の上に腹を押し付けられ、息が荒くなる。
「お前、これでも食ってみろ」
晃司の友人が、濡れた土をつかみ、俺の口元に押し付ける。咳き込みながらも、口を開かざるをえない。砂と泥の混ざった味が口中に広がる。
「まだ甘いよ」
怜央菜が指を突き出し、俺の髪を引っ張る。顔を上げれば、友人たちの笑いが集中する。逃げ場はない。
重いものを持たされ、土の上で動かされる。小さな石、濡れた木の板、バケツ。力を振り絞っても、次々と命令される。倒れれば叩かれ、立てばまた嘲笑される。
「なんでそんなに弱いんだよ、俺らのために生きてんだろ」
颯馬の友人が叫ぶ。俺は言葉が出ない。体中が痛く、泥まみれになり、ただ従うしかない。
その間も精神的追い込みは続く。尻を突き出せ、頭を低くしろ、声を出せ、笑え――命令は次々飛び、従わなければ叩かれる。
「遥、何でそんな顔してるの。恥ずかしくないの?」
沙耶香が冷たく笑う。俺は言葉が詰まり、ただ土の冷たさと痛みに震える。
口に入れるものも、全て屈辱的だ。土、落ちた食べ物、濡れた草――命令されなければ手をつけられない。口に入れた瞬間、友人たちの笑い声が頭を割る。
「もっと早く食べて。 動物じゃないんだから」
怜央菜が追い打ちをかける。俺は体を震わせながら咀嚼する。目からは涙がこぼれ、全身が泥と水で濡れ、痛みと羞恥で震え続ける。
「もう……動けない……お願い、やめて……」
小さな声が漏れる。しかし、友人たちは笑いながら指示を出し、身体を押さえ、屈辱を延々と繰り返す。
俺の心は、完全に疲れ果てていた。体も動かなくなりかけ、呼吸だけが必死に続く。けれど、庭の中央で、俺は屈辱の渦中に立たされ、誰も止めてはくれない。
笑い声、命令、叩き、押し付け、引きずり――全てが絡み合い、精神も肉体も支配される。この状況に終わりはなく、ただ耐えるしかない。