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誰も知らなかった。

蓮司の家が、外から見るよりずっと静かで暗いことを。


学校での彼は、常に笑顔を浮かべ、誰よりも声が大きく、存在感を振りまいていた。

けれど、その扉の向こうは、音すら消えた世界だった。


ある夜、蓮司はひとり部屋に閉じこもっていた。

外からかすかに、子供の声が聞こえた気がした。

それは過去の記憶か、あるいは幻聴か。

だが確かに、笑い声が響いていた。


蓮司は振り返った。部屋の壁に貼られた小さな写真。

そこには、少年時代の彼と、兄弟らしき子どもたちの姿があった。

彼らは楽しそうに笑っている。


蓮司は指でその写真を撫でた。

その瞬間、胸の奥が締めつけられた。

彼の笑顔の裏に隠された孤独が、そこに凝縮されていた。


声はもう戻らない。

だが、あの頃の自分に嘘をついてでも、笑い続けるしかなかった。


蓮司は深く息を吐き、机に向かった。

文字を書く。言葉を紡ぐ。

それが、今の彼の唯一の生きる証だった。



無名の灯 番外編

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