テラーノベル
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背中が冷たい壁に押しつけられた瞬間、扉が乱暴に閉まった。
鍵のかかる音が、外の世界を完全に遮断する。
薄暗い中、複数の影がにじり寄ってくる。
「今日はちゃんと持ってきたよな?」
誰かがポケットを探る。
抵抗しようと手を上げたが、腕をねじられ、肩に鋭い痛みが走る。
その隙に制服の前を乱され、肌に冷たいものが押し当てられた。
逃げようとしても、背後の壁がそれを許さない。
腰の奥にかすかな震えが走った瞬間、思わず「……っあ」と息が漏れる。
その音を逃さず、誰かが笑う。
「ほらな、反応するじゃん」
「やっぱお前、こうされるのが似合ってるよ」
指先が顎を持ち上げ、無理やり目を合わせさせられる。
「これが、お前の存在意義」
低い声で囁かれ、息がかかる。
その間も、腹を蹴られたり、足を引っかけられたりして、体勢を保てない。
震える足で踏ん張るたび、内側の感覚が嫌でも増幅する。
「黙ってると、余計面白いんだよな」
頬に平手打ち。視界が一瞬揺れ、口の中に鉄の味が広がる。
笑い声と足音が、狭い部屋に反響する。
それは音ではなく、圧力のように全身にのしかかる。
逃げたいのに、逃げられない。
声を出せば笑われ、黙れば叩かれる。
選べるものは、最初から何ひとつなかった。
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