テラーノベル
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昼休みが終わろうとしていた教室。岸田がいきなり遥を机に押し付け、腕を掴む。
「お前、本当に……どうしようもねぇな!」
遥は身をすくめ、声も出せずに固まる。
「な、何……」
震える声が喉に詰まる。
岸田の目は怒りで焼けつくように鋭い。
「てめぇ、見るだけでムカつくんだよ! 全てが嫌だ!」
その怒声に他の生徒たちは口元を抑え、嗤う。
「うわ、すげー怒ってる」
「やば、楽しそ」
岸田は構わず遥の肩を強く掴み、背中を壁に押し付けた。
「お前みたいなの、存在してるだけで迷惑だ!」
周囲の生徒は椅子を蹴ったり、机を軽く叩いたり、遊ぶように加害を楽しむ。
「おい、もっと泣かせろよ」
「キャーキャー、面白いー」
遥は心臓を握られるような感覚で、縮こまるしかない。
涙が自然と零れ落ち、嗚咽は嗤い声にかき消される。
岸田は嗚咽を見ても容赦せず、さらに背中を押し、胸倉を掴む。
「泣きやがって……このクズが!」
他の生徒は椅子や本を投げつけるように遠巻きから加害を楽しむ。
岸田の怒りと嫌悪の矛先と、他生徒の娯楽目的が交錯し、遥は逃げ場を完全に失った。
「誰が守ると思ってんだ、クソが!」
岸田が叫ぶたびに、遥の体が震え、声にならない声が漏れる。
嗚咽、息遣い、かすかな声が、周囲の嗤い声と怒号に押しつぶされていく。
チャイムが鳴り、岸田はようやく手を離す。
遥は床にへたり込み、身体を丸めたまま震えていた。
周囲の生徒たちは楽しそうに笑いながら、さっと席に戻る。
教室には、岸田の怒りと遥の恐怖が混ざった重苦しい空気だけが残った。
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