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蓮司「よっしゃ! 今日のテーマは“恋愛あるある”だな!」


日下部「……そのテンションで決める?」


蓮司「いいじゃんいいじゃん。盛り上がるに決まってる。たとえばさ――『好きな子の前だと声裏返るあるある』!」


日下部「ああ、それはあるな。急に“あれっ”って変な声出る」


蓮司「そうそう! で、みんなに茶化されるやつ!」


遥「……俺は、茶化される側じゃなかったな」


蓮司「ん? どういうこと?」


遥「俺は……“おまえなんか好きになる資格ない”って笑われる側だ」


日下部「……」


蓮司「おいおい、遥、初っ端から重すぎ!」


遥「事実だろ。あるあるなんだ、“俺にとっては”」


日下部「……でもな、それ、ある意味一番本物っぽい。たぶん俺や蓮司が想像で語るより、よっぽど真実味がある」


蓮司「お前はすぐ真面目になるなあ……。まあいいや、次! 『好きな子と目が合った瞬間そらすあるある』!」


日下部「それは俺もあるな。じっと見られると、なんか耐えられない」


蓮司「だろだろ! で、あとで『あのとき目合ってたよな!?』って勝手にドキドキするんだよ!」


遥「……目なんか合わない」


蓮司「……」


日下部「……」


遥「俺と誰かの目が、正面から合うことなんてなかった。いつも下を見ろって言われてたから」


日下部「……そっか」


蓮司「……いやでもさ、こうやって今は俺らと普通に目合ってるじゃん」


遥「……お前ら相手だからな」


蓮司「だろ? それもう“今だけのあるある”だよ」


遥「……妙なまとめ方するな」


日下部「でも、確かに。昔の“地獄あるある”じゃなくて、今は“雑談部屋あるある”が増えてる」


蓮司「そうそう! お、いいこと言うじゃん! じゃあ次は――『恋バナ振られると“そんな相手いねえよ”ってごまかすあるある』!」


日下部「あるな。クラスで回ってくる質問タイム、地味に嫌だった」


遥「……俺は、“どうせ無理だろ”って心で先に結論出してた」


蓮司「それさ、マジで切ないやつだから! ……でもさ、実際の恋愛なんて“あるある”で片付けられねえんだよな」


日下部「うん。人それぞれ違う。でも、誰かを想って苦しくなるのは……共通かもしれない」


蓮司「だな。……よし、まとめると、“恋愛あるある”は――」


遥「……人を好きになるってだけで、俺には特別だった」


蓮司「……いやもうそれ言われたら全部持ってかれるんだけど!」


日下部「でも本当のことだな。普通が遥には普通じゃなかった」


蓮司「けど今は違う。“普通のあるある”を俺らと語れる」


遥「……そうだな」


蓮司「よっしゃ! じゃあラスト、“雑談部屋あるある”発表します!」


日下部「また勝手にまとめるのか」


蓮司「“遥の一言が空気変えるあるある”!」


遥「……俺が悪者みたいじゃないか」


日下部「悪者じゃない。“本当のことを言う役”だ」


蓮司「そうそう! それがあるから、この部屋はただの笑い話で終わらない」


遥「……勝手にそう決めるな」


日下部「でも、そういう雑談が、俺は好きだ」


蓮司「俺も!」


遥「……ふたりとも、調子いいな」



無名の灯 余白、三人分。

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