テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
セレン……下界に生を受けた、善意と慈悲に満ち溢れた可哀想な存在。人々を救いたいというその純粋な願い、わたくしの瞳にはこの上なく眩い「光」として映りますこと。
……ですが、その光も砕いて差し上げるのが、わたくしの美学。
セレンが不治の病に倒れ、その弱り切った隙(げき)をずっと待っておりましたの。
溢れる善意と残酷な無力さの間に、わたくしの力を一滴、落として差し上げますわ。
アンラ・マンユ「ほほう、この世界を守ろうとする志……実に滑稽で、面白いですわね?」
わたくしの思念は、魔女システムの流れにそっと、優雅に介入いたします。
お救いしようとする行為そのものが、システムの制約によって逆に「苦痛」を産むように。
自由は奪われ、希望は、芳醇な絶望へと熟成されていくのです。
セレン……お前が望む未来も、愛するあの方(ミオン)も
すべてはわたくしの指先ひとつで歪められていくのですわ。
光を見せ、触れさせ、そして――粉々に打ち砕く。
これこそがわたくしの本来の役割、絶望の化身としての誇り高い使命ですもの。
善意が放つ光など、わたくしの深き闇の前には無力に等しいわ。
オーホッホッホ!
アンラ・マンユ「月が欠けるのではない。月そのものが黒く染まる時、地上に真の夜(混沌)が訪れるのですわ……」
ああ、愚かな人間たち。
わたくしの手のひらの上で、美しく踊り狂い、絶望の底に沈みなさい……。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!