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#読み切り
ruruha
656
ゆうまる
121
コメント
1件
うわああ……読み終わって胸がぎゅーってなったよ😭💔「的」扱いされる遥くんの無力感、読んでてこっちまで息苦しくなった……「人じゃないから固定しやすい」とか「人間扱いされてないから問題なし」って言葉、めっちゃ刺さる。拒否しても論破されて笑いものにされる辛さ、ちゃんと伝わったよ。それでも「同意してない」って心で思い続けてるのが泣ける……次が気になりすぎる!🆘
木は、逃げない。
だから選ばれた。
「ほら、ここ」
「人じゃないから固定しやすい」
背中に硬い感触。
動こうとすると、止められる。
「暴れるなよ」
「抵抗すると“的”ズレるだろ」
誰かが笑う。
「動く的とか、初心者向けじゃん」
「今日は命中率勝負な」
遥は息を整えようとして、失敗する。
「……やめろ」
「聞いた?」
「“やめろ”だって」
「拒否きたー」
「じゃ、ペナルティ追加」
視線が集まる。
「人間なら嫌がるよな。でもさ、人間扱いされてないから問題なし」
ボールが当たる。
数える声。
「一」
「惜しい」
「次、顔の横」
遥は歯を噛む。
「……俺、同意してない」
即座に返る。
「またそれ」
「的が喋るな」
「集中できない」
「ほら、口減点」
「喋るたび難易度上げよ」
木に背を預けたまま、遥は考える。
どう言えば“伝わる”のか。
「……拒否したのは、
受け入れてないって意味だ」
間。
「意味とかいらね」
「結果が全て」
「縛られてる=参加中」
「参加中=同意」
「はい、論破」
笑いが重なる。
「的ってさ、当てられるためにあるんだよな。外れたら意味ない」
「意味ない存在って、楽でいいよな」
遥の胸に、鈍い痛み。
(俺が悪い?
抵抗したから?
拒否したから?)
自己嫌悪が湧く。
それでも、言葉を探す。
「……嫌だ 」
「感情申告、却下」
「数値じゃない」
「ほら、次」
「点数つけよ」
「当たったら喝采、外れたら罰」
拍手が起きる。
「いい的!」
「動かないの最高」
誰かが囁く。
「抵抗しないと、楽だろ?」
「抵抗したから、こうなる」
遥は目を閉じる。
(それでも)
(同意してない)
声に出す勇気は、もうない。
出せば、また理由にされる。
「ほら、終わったら解放な。多分」
「“多分”が一番盛り上がるんだよ」
笑い声。
数える声。
評価する声。
木は黙っている。
的は喋らない方が、好まれる。
遥は、
人間であることを主張するたび、
遊びを盛り上げる存在になる。