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白山小梅
コメント
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ようやく病院の外で逢えて良かったですね✨️ 不器用で超奥手な二人だけど…🤭💓 お互い、素直な気持ちを伝え合えますように…🌊✨️
やっと来たーー! 待ち侘びてましたよー優人先生🥹✨ ずっとすれ違ってた分、今度こそ2人ともちゃんと想いを伝え合ってほしい…!! わーん😭明日までドキドキして待ってます💓
2人意識しながらすれ違う😢😢でも海辺にいる七星ちゃんを追って来た優人先生 しっかり自分の気持ちを伝えてね 七星ちゃんも受け止めてそして自分もちゃんと話してね マリコ様明日楽しみにしてます(*'▽'*)
大迫の騒動もすっかり落ち着き、湊総合病院には以前の静けさが戻っていた。
その一方で、優人は東京の大学病院へ戻る準備を進めていた。
難易度の高い手術は日程を前倒しし、比較的容易な手術は他の医師へ引き継いでいく。
優人の帰京を惜しむ新人医師・斉藤は、少しでも多くを学ぼうと、これまで以上に熱心に優人から知識を吸収しようとしていた。
そんなある日のこと。
七星が休憩室で昼食をとっていると、百花がコンビニ弁当を手に入ってきた。
「ねえねえ、ちょっと聞いた?」
「どうしたの?」
弁当の蓋を開けかけた百花は、手を止めて七星のそばに寄り、小声で囁いた。
「尾崎先生、東京に帰っちゃうんだって」
「えっ……?」
七星の胸に衝撃が走り、箸を持つ手が止まった。
「……それって、前の病院に戻るってこと?」
「そうみたい。最近難しい手術もどんどんこなしてるでしょ? 昔の勘が戻ったって噂が広まって、前の病院の偉い人から野中院長に直々に電話があったんだって。それで、戻ることにしたらしいよ」
「……そうなんだ」
「こっちに来てまだ一年も経ってないのに呼び戻されるなんて、やっぱ尾崎先生ってすごいドクターなんだね~」
「うん……」
「どうしたの? 七星、なんか元気ないけど」
「う、ううん。そんなことないよ」
「あー、でもこれでスッキリじゃん。七星も、尾崎先生の亡くなった奥さん代わりにされなくて済むし。やっとホッとできるね」
「……そうだね」
「般若みたいな顔したお局軍団も一掃されたし、七星を悩ませる尾崎先生もいなくなる……これで、うちの病院も安泰だ~!」
百花はにこにこしながら弁当を食べ始めたが、七星の表情はどこか晴れなかった。
そんな様子に気づくこともなく、百花は思い出したように声を弾ませる。
「あ! そういえば、お局軍団の代わりに来た看護師さん、すごいんだよ~。双子ちゃんのママなんだって」
百花が楽しそうに話す横で、七星は物思いに沈んでいた。
優人への恋心に気づいてからというもの、七星は彼を意識しすぎて、さらに避けるようになっていた。
本当は以前のように気さくに話したいのに、どうしても構えてしまい優人と向き合う勇気が出ない。
だから、彼の姿を見つけるとつい逃げてしまうのだ。
そのとき、大迫の言葉が脳裏に浮かんだ。
“自分の気持ちに素直になること。これが、俺から君へのアドバイス!”
(素直になるって……どうすればいいの? 難しくて分からない……でも、早く素直にならないと、先生は東京へ帰っちゃう……どうしよう……)
焦る思いに胸が締めつけられ、七星の心はパニック寸前だった。
午後の仕事が始まると、そんなことを考える余裕もないほど忙しくなった。
高齢化社会の今、入院患者はひっきりなしに訪れる。
だが、この忙しさのおかげで優人のことを考えずに済むのは、七星にとってはむしろ救いだった。
嫌味を言う看護師軍団もいなくなり、職場は百花の言う通り快適そのものだ。
手際よくベッドを整えた七星は、「失礼します」と声をかけて病室を出た。
廊下を歩いていると、向こうから優人が歩いてくるのが見えた。
(どうしよう……)
“今度こそ勇気を出して声をかけよう”
そう決めていたはずなのに、すれ違う瞬間、七星はまた怖気づいてしまう。
もしかしたら優人の方から声をかけてくれるかもしれない――そんな淡い期待もあった。
だが、優人は七星を見ることもなく、素通りして足早に去っていった。
(無視された……?)
その事実を自覚した瞬間、胸がずきんと痛む。
そして、ふと思った。
(そっか……。私も先生に同じことをしたんだ。あの日、帰り際、バイクのそばで待っていた先生を、思い切り無視しちゃったんだ。ふふっ……因果応報だね)
“人に冷たい態度を取ったら、必ず自分に返ってくるんだよ。だから、人には常に優しくしなさい、七星”
幼いころ祖母に言われた言葉がよみがえる。
(おばあちゃん、見事に返ってきたよ。自業自得だね)
そう思った瞬間、七星の頬を一粒の涙が伝った。
それからも、優人と七星はすれ違い続けた。
あの日以来、七星は声をかける勇気を失い、優人も何事もなかったかのように七星を避けるように日々を過ごしていた。
心が重く沈む日々。
七星は久しぶりに浜辺へ行ってみることにした。
優人を意識すればするほど、胸の奥がぎゅっと苦しくなる。
砂浜に寝転がった七星は、無意識にポケットを探ったが、煙草もライターもない。最近、禁煙したのだ。
「そっか……煙草もライターも捨てたんだっけ」
手持ち無沙汰な両手を頭の下に組み、七星は流れる雲をぼんやりと見つめる。
「ふわふわして気持ちよさそう。雲はストレスや悩みもなくていいな~」
そう呟いたとき、階段のほうから聞き覚えのある声がした。
「キミにもストレスとか悩み事ってあるんだ」
その声は、優人だった。
驚いた七星は慌てて上半身を起こし、振り返る。
そこには、穏やかな笑みを浮かべた優人が立っていた。